「クラフトビールとは何か」を、10年前の自分に聞いてみる

craft drinksとは

このウェブサイトを始めたのは2015年の秋でした。当時からすでに「クラフトビールとは何か」という問いに向き合っていて、最初の数ヶ月はこの一点を繰り返し考えていたようです。改めて読み直してみると、今の自分の理論的な関心の出発点がほぼそのままここにあることに気づきます。今回はその頃の記事を並べて振り返ってみます。

1. craft-beerとは何だろう-今のところの話(2015年10月27日)

この連載の出発点となった記事です。当時の「小さい」・「独立している」・「伝統的」という条件も変わっていて、ずいぶん長い時間が経ったのだなと思わざるを得ません。

2. craft-beerとは何だろう-連邦裁判所の見解とその衝撃(2015年11月16日)

米国の判例を手がかりに「クラフトビール」の線引きを考えた回。これは非常に重要な出来事で、拙著「クラフトビール入門 飲みながら考えるビール業界と社会」でも取り上げました。クラフトビールという言葉は国家によるお墨付きはないのです。

3. craft-beerとは何だろう-Gregg Kochのコメントについて(2015年11月16日)

ここで挙げたGregg Kochの言葉の対立構造は今現在日本では通用しないものになってしまいました。「大手のクラフト」が否定されず、一定程度認められている状況だからです。しかし、今改めてクラフトなるものの存立条件は過去どう争われたのかを振り返っておくことには大きな価値があります。

4. craft-beerとは何だろう-BrewDogの場合②(2015年12月15日)

5. craft-beerとは何だろう-BrewDogの場合③(2015年12月15日)

これを取り上げて考えたのは「情緒と統計」(「主観と客観」とも言い換えられる)という今に繋がるアイディアが浮かんだからです。主に消費者が抱くクラフトビールへの愛情と事業者向けの市場可視化のための指標とは性質が全く違うので混同してはなりません。このことは何度言っても足りないと今でも思います。

6. クラフトビールにおける創造的破壊とは?(2017年2月9日)

2015年の一連の問いから1年半ほど経って書いた記事です。昨今のクラフトビールに関する言説を思い出すと「創造的破壊」や「イノベーション」という言葉を聞かなくなったことに気が付きます。これは何を意味するのでしょうか。界隈で話題になりませんが、これは極めて重要なことだと思います。ビアスタイルの発明や進化がイノベーションだと強く語られてきたのですから。

振り返ってみて

10年以上経った今思うに、興味関心はあの頃から途切れることなく繋がっていました。当時よりもその射程は確実に広くなっていますが、状況も大きく変化しているので改めて検討すべき事柄であることでもあると今回書きながら思いました。初心に帰ることは大事ですね。

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