“craft beer”とは何だろう 今のところの話
craft beer。
最近ネット、雑誌などでよく聞く言葉になりました。ここ日本でも様々な種類のビールが買えるようになりましたし、首都圏をはじめとして専門店もかなり増えました。とはいえ、その内容についてはまだまだ一般的な共通理解が得られていないように思われます。なんだかとてもあやふやなのです。
試しにgoogleで調べてみると、多くのサイトがヒットし、下記のような定義を引用して説明しているをよく見ます。
アメリカの醸造家の所属する団体、brewers association(ブルワーズアソシエーション)はcraft brewerを以下のように定義しています。※注意して頂きたいのは、”craft beer”ではなくて”craft brewer”であることです。
Small
Annual production of 6 million barrels of beer or less (approximately 3 percent of U.S. annual sales). Beer production is attributed to the rules of alternating proprietorships.
Independent
Less than 25 percent of the craft brewery is owned or controlled (or equivalent economic interest) by an alcoholic beverage industry member that is not itself a craft brewer.
Traditional
A brewer that has a majority of its total beverage alcohol volume in beers whose flavor derives from traditional or innovative brewing ingredients and their fermentation. Flavored malt beverages (FMBs) are not considered beers.
出典:brewers association “craft brewer defined”
簡単に言うと、「小さい」・「独立している」・「伝統的」であることの3つです。細かな部分はあるものの、一番大事なのはこの三点。これを満たす醸造家、醸造会社はcraftだと認められるわけです。ただ、この文章では”craft beer”は定義していません。
上記を根拠にcraft beerを定義する立場の方が非常に多いようですが、本当にそれで良いのか?妥当なのか?色んな理由から疑問があります。これから順番に考えていきたいと思います。