最近、ホップ疲れというよりも、ホップによる似た味に疲れてきた

皆さん本当にホップの風味が好きで仕方ないのですね。ホップを風味を高めるために異常な執念を燃やしているようにも思えます。ホップオイルやその他抽出物を使うことを否定するわけではないのですが、それによって達成される美味しさは何だろうか。ちょっと立ち止まって考えてみるのも悪くないはずです。

ホップ加工品製造会社は多くなく、その製品も同様に多くありません。選択肢が少ないとなると、様々なブルワリーが同じ製品を使用して同じようなビールを醸すことになりはしないだろうかと心配になります。個人的にはすでにその兆候を感じ取っていて、ホップ疲れというよりも、ホップによる似た味に疲れてきたように思います。美味しいと思うものは大体似ている。

それでもホップの風味こそが美味しいとなれば、それをビールというキャンバスの上で表現する必然性は失われてしまうかもしれない。それくらい今ホップという部分に注目が集まっていて、クラフトビールにおける記号となっています。それと同時に、その裏でビールという全体が蔑ろにされている気がしないでもない。

現状、消費者の数と消費量に対して釣り合う程度の供給であるようなので飽和までには至っていないようですが、このまま進めばいつしかそうなることでしょう。その時、「ビールはやっぱり麦のお酒だよね」と言えるかどうか自信が無い。幸か不幸か、オルタナティブが多過ぎるのです。

もうしばらく静観していようと思いますが、どうなることやら。