オードブラーンに込めた想い

先日ご案内した通り、CRAFT DRINKS x Kakegawa Farm Brewing Japanese Whisky Barrel Aged Oud Bruinがリリースされ、各地で順次開栓されています。昨日までに確認できたのは、東京・渋谷のMikkeller Bar Tokyo、同じく東京・神楽坂のPublic House The Royal Scotsman、そして四国・香川ののみもの家の3軒です。お近くの方は是非お試しくださいませ。

Kakegawa Farm Brewingの醸造家・西中氏よりこのOud Bruin(オードブラーン)を醸した経緯や想い、そしてそこに繋がるこれまでの人生についてコメントを頂きました。お目通しくださいませ。そして、見かけたら是非召し上がって頂ければと思います。

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最初に沖さん(注 CRAFT DRINKS代表の沖俊彦のこと)からバレルの話をいただいた時に、バレルでビールを造るというのはカケガ ワビールとして絶対やりたかったことでしたし、自分の得意分野でもあったので力を示す 意味も込めて二つ返事で引き受けました。

ただ、単純に濃色ハイアルコールビールを造るというのも悪くは無かったのですが、自分に しかできないことも一つ加えようと思いました。それで造ることを決めたのがこの「Oud Bruin」というジャンルのビールです。 クラフトビール好きの方があまり知らないであろうベルギービールのジャンルであり、な おかつ最近の流行であるサワーエールということもあり一発目に造るには面白いジャンル だと思いました。

「Oud Bruin」とはベルギーのサワーエールの 1 つの種類です。一般的によく知られている ベルギーのサワーエールの「ランビック」とは色以外は根本的には同じ種類のビールになり ます。「ランビック」はブリュッセル周辺の地域で古くからつくられていた淡色のサワーエ ールで、それよりも西に行けば濃色の「Oud Bruin」、さらに西に行けば赤色の「レッドエ ール」がつくられています。 ちょうど私がベルギーで住んでいたあたりは「Oud Bruin」がつくられている地域でした。 そのこともあり「ランビック」ではなく「Oud Bruin」を作ることを決めました。

この「Oud Bruin」を作るに従い一本のビールを見本にしました。そのビールは「Liefmans Goudenband」です。 酸味、甘み、うまみ、香り、そのすべてが絶妙にバランスを取れており、私が今まで飲んだ サワーエールの中で最高だと感じたビールです。そして、実際作っているところも何度も見 せていただき、作り方などについても詳しく聞いていたこともあり、自分の力を出すには一 番良い見本だと感じ作りました。

じっさい作ってみると、初めてということと、1 樽しかないのでブレンドができないという こと、制作から完成まで 1 年と期限が短いということもあり、目指していたものにはまだ まだおよばないところは多々あります。ただ、「Oud Bruin」というジャンルのビールがど んなものか多くのクラフトビール好きに知ってもらうこと、サワーエールは 1 つのジャンルとしてくくられているが実際はとても幅が広くまだまだ可能性あるということ、を知っ てもらうには十分の出来だと思っています。

ビール好きの方にどこまで受け入れていただけるか分からないですが、気に入っていただ ける方がいるならば今後毎年生産していき、樽の数も増やし、より自分の目指す「Oud Bruin」 に近づけていきたいです。