物流費
すでに報道されている通りですが、amazonも遂にクロネコヤマトの値上げ要求を飲みましたね。他の宅配大手も値上げの方向で調整済みで、ゆうパックも3月から値上げとなります。世の中全体で値上げ、です。
調べてみたら、およそ一年前にも同じようなことを書いていました。2017年から2018年にかけて物流費は本当に高騰しましたし、その傾向はまだ続くのですねぇ。。。
クラフトビールと絡めて送料値上げについて考えてみると、非常に暗澹たる気持ちになります。ビアパブなどで使われるケグは現在ブルワリーから直接送られて来ることがほとんどで、ステンレスケグの場合使い終わったらまたブルワリーに返却します。物流という面で考えるとケグのビールを飲むには仕入れと返却の2回配送業者を使わなくてはならないわけです。物流費の高騰がダブルで直撃、ということです。加えて、無濾過・非加熱のビールであれば時期に応じて往路は品質保持のためクール宅配便を使用することになります。クール宅配便を使うことはとても大事で大賛成なのですが、この値上がりが尋常ではないのです。ビールにとっては大分厳しい状況なのは間違いありません。結局は最終売価、つまり私たち消費者が飲む時の価格に反映されるわけで、、、世の流れで仕方ないのですが。その意味でもワンウェイケグを本気で検討しなくてはならない時代になってきたと思います。
そもそもビールというものは比較的安価な水分の多いお酒。物流の面から言うと、「重くてかさばるけど、単価の安いもの」なので、元々遠方まで運ぶことには不利なものです。物流費をなるべくかけないようにしようと思えば、買い物のついでくらいの感覚でちゃっちゃっと納品できるくらいの範囲で流通させるのが理想的でしょう。drink localと言いますか、brew localと言いますか、そういう小さなコミュニティと共にある形のクラフトビールのことを改めて考えてみても良いのかもしれません。
ところで、一番物流費がかからない形は何でしょうか?ビールを移動させるのではなく、消費者に現場に飲みに来てもらうことになるとCRAFT DRINKSは思います。ふいに言うのです。「いつか飲みに行きたいね」とで書いた通り、ブルワリーツーリズムとして「そこに行かないと飲めない」、「飲むためにわざわざ行く価値がある」という形まで持っていければそれは酒類製造業だけではなく観光事業としても成立することでしょう。都会への外販を一切しなくても良いような地盤がブルワリーに出来たら物流費が多少上がろうが全然問題ない。無敵。流石に外販ゼロは言い過ぎかもしれないけれども、それくらい人と土地とに強い結びつきのあるビールは素敵じゃないだろうか。
そう言えば、昔こんなことも書きました。物流費はこういうことにも関係しますよね。
駅と自宅の間にブルーパブがあって、その場で作るNEW ENGLAND STYLE IPAやサワーエールが死ぬほど美味しかったら遥々アメリカやベルギーなどから輸入しなくても良いのです。