BAの定義から考える”craft beer” 「どれくらい小規模なのか」

突然ですが、こちらをご覧ください。アメリカのブルワーズアソシエーション(Brewers Association、以後BA)が発表した2014年の売上高トップ50の醸造所リストです。日本でもお馴染みのSAMUEL ADAMSで有名なTHE BOSTON BEER COMPANYが全米2位に入っているのが分かります。(一位の醸造所は訳あって”craft brewery”と認めない人がいるので今回除外し、THE BOSTON BEER COMPANYを最大の会社とみなします。)

この表では生産量の数字が分からないので、会社の公式HPを見てみましょう。HPのトップの右に”2014 annual report”という株主向けのレポートが出ていて、その中にこうあります。

The Boston Beer Company, Inc. (“Boston Beer” or the “Company”) is the largest craft brewer in the United States. In fiscal 2014, Boston Beer sold approximately 4.1 million barrels of its proprietary products (“core brands”).

出典:The Boston Beer Company オフィシャルHP

昨年実績410万バレル。
・・・一軒で410万バレル? 4億7000万リットル越え!?
ちなみにこの量は日本で消費されるビールの約一ヶ月分に相当します。(2014詳細データはこちら)何もかもが桁違いです・・・

よく「小規模であること」を条件に説明されますが、ごく普通の日本人の感覚で考えると、この大きさの”craft beer”を「小規模」だとか「小さい」という日本語の語感で説明するのは非常に難しい気がします。少なくとも、日本の感覚は世界のスタンダードではないということは間違いありません。この違いを意識することはとても大事なことだと思います。