ワンウェイケグは最早必然ではなかろうかという話

CRAFT DRINKSではkeykeg(キーケグ)を扱っており、随分前からワンウェイケグの有用性を訴えてきました。そんな中昨日こんな記事が出ました。世界の流れは間違いなくこういう方向に進んでいくのだと思います。

ヤッホーブルーイング 米国輸出強化 出荷5倍へ

ヤッホーブルーイングが輸出用にワンウェイケグを導入するそうです。まずはワンウェイケグに関する部分を引用しておきます。

輸出強化の新戦略として、これまで使っていたスチール製のたるをプラスチック製に変更。容器の費用を7割ほど抑えて収益性を高める。ビールサーバーでビールを注ぐ際に倒すレバー用に、独自デザインのハンドルも開発。自社製品に描かれている歌舞伎役者を採用し、がある外見に仕上げた。米国では各社がハンドルにロゴやキャラクターをデザインし、PRの場になっているという。

リンク先の写真から推察するに、このケグはpetainerというものだと思われます。真ん中にパイプが入っているので液体にガスが直接触れるタイプですね。(ケグの種類についてはこちらも合わせてご覧ください。)透明のものは初めて見ましたが、透明だと充填したビールが光によって劣化してしまいます。恐らくこれは撮影用に外装を外した状態にしただけで、実際には外装がつくはずなので遮光性はあると思います。

以前、日本人が減っている話でこのように書きました。

様々なメディアで「お酒離れ」や「消費の減少」が叫ばれていますが、絶対的な人口減が大きな要因でもあるでしょう。
飲める人が減るということは、「黙って何もしなければ、お酒業界は自然と縮小する運命にある」ということです。お酒のカテゴリーの中でもクラフトビールは始まったばかりの小さなムーブメントで、このままでは更に厳しい状況に置かれることでしょう。ここをどうするか、業界全体が考えないといけないと思います。

今年、日本国内にたくさんのクラフトブルワリーが開業しました。今現在免許場はビール・発泡酒をあわせて200はあると思いますが、廃業・撤退よりも新規開業が多いので免許場は純粋に増加しています。要するにこういうことです。

総消費量は減り続けることが確定的だが、メーカーであるブルワリーは増え続けている

国内の潜在需要を業界が一致団結して掘り起こしていくことももちろん重要ですが、最終的にはパイの奪い合いに陥る可能性が極めて高いわけです。そんな熾烈な争いを避け、輸出で海外に打って出ることもブルワリーは当然視野に入れておかねばならないでしょう。そんな時、ワンウェイケグが重要になると思います。De Molenが伸びた理由でも指摘しましたが、キーケグをはじめとするワンウェイケグには物流に対する大きなアドバンテージがあり、それを最大限活かすことで爆発的な伸びを見せました。

当該の記事でも指摘されているように、アメリカのクラフトビール市場は恐ろしいほど大きい。

同社によると、米国のビール市場は12兆1千億円余で、うちクラフトビールが2兆6千億円余。日本のビール市場は2兆円程度で、クラフトビールはその1%程度にとどまる。日本の100倍以上の米国クラフトビール市場は競争が激しいが、成功による見返りも大きいと期待する。

当たればデカイです、間違いなく。とはいえ、すでにアメリカ国内に6000軒もブルワリーがある中で投入するわけですから想像もできないほどの熾烈な競争をすることになるでしょう。しかし、攻める気持ちは大事ですよね。日本国内だけで守りに入っていても先細りなのは確定していますから、ガツンと攻めることも遅かれ早かれ必要になってきます。その意味でこういう取り組みは素晴らしいと思います。ケーススタディとして重要なものになるでしょう。引き続き注目していきたいと思います。

クラフトビールが輸出重点品目に?という投稿でも書きましたが、クラフトビールの輸出を国としてもバックアップすることになりました。ワンウェイケグは最早必然ではなかろうか。2018年は「ワンウェイケグ」が1つのキーワードになるのではないかとCRAFT DRINKSは考えます。