
クラフトビール文献読書会で合同書評集第2号を作ります
先日ご紹介した通りですが、私が主催するクラフトビール文献読書会の2025年上半期活動報告が完成しました。今回も5万字超えの大盛仕様です。手前味噌ながら、なかなか良い議論をしていると思いますので、クラフトビールという文化にご興味ある方は是非お読みください。BASEの本屋にて発売中です。
さて、私が主催するクラフトビール文献読書会では合同書評集を作っています。月に一回集まって様々な文献を読みながら議論をし、たくさんインプットをしてきたわけですが、インプットだけしていても勿体無いと思ったのです。昨年リリースした「ビール片手に僕はこんな本を読んだ」が書評集としての第1号ですが、8月17日に開催されるコミックマーケットに合わせて第2号を発表する予定です。イベント終了後にBASEの本屋でも取り扱う予定なので、上記活動報告と共にご覧頂ければ幸いです。
実はこの企画はクラフトビールに関する本の書評と言いつつ、もう少しだけ広い範囲で本を考えています。ビールに関する本並びにビールを考えるにあたって参考になった本を対象としているのです。後者は読んでビールのことを考えた本という意味でもあり、理解が深まった、新たな視点が得られたなど、為になった本であれば何でも良いとしています。もっと言えば、ビールを考えるにあたって為になったのならばその形式は書籍にこだわりません。詩歌や絵画、映像などその媒体は問わないとしていて、実際私は今回書籍だけでなく映像を題材にして1本寄稿しています。
なぜこのようにしているかと言うと、ビールを飲んで楽しむ液体としてだけ見るのではなく、ラベルやロゴなど視覚的に把握するものもビールの一部だし、ビール祭りの空間もビール体験の一部だからです。拙著「クラフトビール入門」でも記しましたが、「ビールと私」という閉じた系で捉えるのではなく「私と他者を繋ぐ媒体としてのビール」という開いた系として考えると様々なものがビールに関係していることに気が付きます。そういう総体としてのビール、もっと言えばビールとそれに付帯する一切を含めた文化について考えたいのでそのきっかけを書籍に限るとはしないのです。
飲んで美味しいことは最も重要なことですが、「どう美味しいか」、「なぜ美味しいか」ということを考えるのもまた大事なことではないでしょうか。それを文献に当たりながら検討し、反省会と称して実地で考えているのがクラフトビール文献読書会です。次回は7月19日に行いますので、是非ご参加ください。
14時からの第1部はその場で文章を読んで議論する会です。手ぶらでいらしてください。クラフトビールという文化には様々な側面がありますが、今回は「クラフトビールとメディア、ジャーナリズムの関係」を検討してみたいと思います。正確さや信頼性、そしてローカル性など、アメリカにおけるジャーナリズムをクラフトビールの視点で見てみます。その上で、ここ日本におけるそれについて考えてみましょう。
次に16時からの第2部です。通常、第2部は事前に指定された文章を読んできて頂き、それを元に議論をしていきます。第1部にも関連して、コミュニケーションについて考えてみたいと思います。取り上げるのは「科学コミュニケーションを通じた 地域社会と科学の関わり」です。ビールは文化的なものでありながら、発酵というサイエンスにも支えられています。言葉でビールを描き出すことが重要である一方で、ビールがどのように作られるかを科学的に示すこともまた重要でしょう。それはビール作りの面白さを伝えると共に新たな視点での消費の喚起にも繋がることだと思います。
そうしたことを意識した上で事前に上記文章を読んで頂き、①ホームブルーが違法である日本においてビール作りに関する科学コミュニケーションを成立させるにはどうしたら良いか、②その主体としてブルワリー、酒販店、パブ、メディア、消費者が考えられますが、現在誰が何をどう担うべきかを考えて発表してください。②については内容と形式に分けて考えると良いように思います。たとえば、発酵のメカニズムを内容として伝えるにしても、書籍、ウェブ上のブログ、podcast、youtbe動画、対面のセミナーなど形式は様々だからです。
なお、参加申し込みはこちらのフォームからお願い致します。皆様のご参加、心よりお待ち申し上げております。冬にも書評集を出したいと思っているのでそちらにも是非参加してください。