東洋経済オンラインへの寄稿記事の補足とビヨンドビールに注目すべき意味について
本日、東洋経済オンラインに寄稿したものがリリースされました。Beyond Beer(ビヨンドビール)の視点で考えるサントリーの新商品「ビアボール」についてです。
サントリー「一線を超えたビール」が意味すること 「ビアボール」は既存のビールの概念を変えるか
寄稿した文章は一般の方向けにポイントを示しただけで深い話はそこまで出来ませんでしたが、世界的にはビヨンドビールという発想が注目されていて、この概念は今シーンにとって非常に重要です。最近のクラフトビール周りの流れがよく分かると思うので気になる方はこの記事も読んで頂きたいのですが、たとえばドッグフィッシュヘッドを含めたボストンビアカンパニーの動きは注目を集めています。
日本でビヨンドビールという概念が普及し、それらを体現するアイテムがこれからどんどん出てくるかはまだ分かりません。しかし、そういう事象が世界ですでに起きているということは押さえておくべきだと思います。思い返して頂きたいのですが、以前BREWERS ASSOCIATION、CRAFT BREWERの定義を一部変更という記事で示したように、前回のBAの定義変更は「ビールが主力でなくなるクラフトブルワリーが現れそうだから」ということが理由だと目されています。そして、そのビール以外の酒類がビヨンドビールと今呼ばれているカテゴリーです。今にして思えば、消費者の嗜好が多様になっていくのに合わせて「自社の強みをそのまま活かせる隣接領域」へも事業を展開して稼いでいこうという活動がクラフトブルワリーの定義にも影響を与えていると言えるでしょう。今後のクラフトビールシーンを考える上でビヨンドビールに注目すべきなのはある種必然かと思います。
クラフトビールはクロスオーバーだと私はよく言いますが、ビヨンドビールという新しいものによって既存のクラフトビールの意味合いが刷新されるかもしれないとうっすら思っています。一連の流れを「おかしな方に向かっているぞ、大丈夫か?」と思う方もいらっしゃるでしょう。けれども、ポジティブに拡大、拡張と捉える事も出来るはずです。そのあたりまだ界隈でも定説が生まれていないので注視していきたいところです。
拙著Hard Seltzer And Japanはビヨンドビールの中でも最有力ジャンルであるハードセルツァーに関する各論と位置付け、8月にリリースしたBeyond Beer クラフトビールのこれからを考えるヒントを概論とお考え頂けると全体が分かりやすいのではないかと思います。ご興味ある方は是非ご覧ください。