BROOKLYNだけじゃないんだな、これが

【速報】ブルックリン、キリンが国内生産開始という記事を数日前に書きました。お陰さまで多くの方にご拝読賜り、恐縮です。詳しくは記事を読んで頂きたいのですが、来年2017年からキリンが作るBROOKLYN LAGERが流通することになりそうです。

・・・ここまでは事実であり、色んな人が報じています。ここで終わらないのがCRAFT DRINKS。

キリンは着実に日本のクラフトカテゴリーを掌握しようと動いています。予想通りの展開という記事でも書いた通り、ヤッホーブルーイングのよなよなエールはすでにキリン滋賀工場で生産されています。国内有力ブランドは一つ押さえてあるのです。そして、こういう話もあります。

豪州のクラフトビールを国内で展開へ、キリンHD

キリンは現在海外のビール会社を幾つか保有しており、近いところだとオーストラリアのライオンネイサン、フィリピンのサンミゲルが挙げられます。2009年に発表されたこちらのプレスリリースの4ページ目を見てみて下さい。買収後、ガツンと上げていく計画です。

実はオーストラリアのクラフトビールシーンは大手の寡占化が日本よりも進んでいて、多くはSAB Millerとキリンのもので占められています。大手で独立系はCoopersだけといった状況です。詳しくはこちら

【速報】ブルックリン、キリンが国内生産開始という記事でご紹介した通り、アメリカのBROOKLYNブランドがキリンのものとなり、国内に流通し始めます。追いかけるようにオーストラリア産クラフトビールも上陸する可能性が極めて高いのではないかと予想しております。豪州のクラフトビールを国内で展開へ、キリンHDでは「リトルクリーチャーズ」や「ジェームススクワイア」を指摘していて私もこれらが有力だと思いますが、他にも主要銘柄だけでもこんなにあります。聞いたことがあるものも多いのではないでしょうか。

XXXX(フォーエックス)
Tooheys(トゥイス)
West End(ウェストエンド)
EMU(エミュー)
Steinlager(スタインラガー)
Canterbury Draught(カンタベリードラフト)

一度に全てが来るとは思えませんが、これらがコンビニ、スーパーの棚に襲い掛かってくる可能性があるわけです。すでにインフラは完成しており、あとはそこに載せるだけ。そういう状況まで来ていると言って良いでしょう。キリンのシェア50%獲得は絵に描いた餅ではないと私は考えています。

さてさて、小さな国内クラフトブルワリーはどうしたら良いのでしょうか?後発でコンビニの棚を取りに行くことは難しい。しかし、小規模生産故にいきなり価格も下げられない。元々問屋・酒販店を使うスキームを想定していなかったから物量も上がりにくい。増産するにも設備投資が大きく必要です。難しい要因はたくさんあるけれども、なんとかするしかない。ブームの兆しはあるにせよ、実は正念場というか、決断の時なのかもしれません。