10月1日が金曜だというのが心配だ

10月1日、全国的にまん延防止等重点措置および緊急事態宣言が解除されることになりました。地域、認証の有無などの条件によって異なりますが、酒類提供が可能になります。いやぁ、長かったですね。やっと居酒屋やパブに灯りが戻ってきます。

さて、酒類提供が復活するのは良いのですが、酒屋さんとしてはちょっと心配事もあるのです。

日本食糧新聞の今年1月の記事では「飲食店の時短営業で店舗当たりの納入量が大幅に減る中、配送経費や作業量の調整に苦慮し、収益も深刻なレベルで圧迫されている。」と指摘されています。倉庫代もかかるし、配送にかかる人件費やその他経費も馬鹿にならない。酒屋業界というのは結構大きな固定費の上に成り立っていて、日々の発注が無くなるとそれが利益を圧迫するのです。

通常業務用酒販店は注文に応じて飲食店に配送していますが、自社便だけでなく外注していることもあります。緊急事態宣言による発注減に伴い、多くの会社が配送ドライバーの数を絞っていました。また、配送する曜日を決めて、毎日配送しない方法を採ったところもありました。注文数減少に合わせて倉庫のピッカー(倉庫内で商品を注文に合わせてピックアップする係)も減らしていて、出来る限りコンパクトにしようとしていたのです。売上が上がらないのだから経費を削っていくしかないわけです。これは仕方ない。

で、1日に解除となるのですが、問題となるのがカレンダー。10月1日は金曜日です。月初の金曜日にはじまり、土日含めて3連チャン。いきなり繁忙期到来の予感、というわけです。酒販店が固定費削減の一環で配送車、ドライバーを減らしているので、この3連チャン中にどかんと飲食店からの発注を受けても対応しきれない可能性が高い。車も人も足りなくて配送遅延で大混乱するかもしれません。

また、在庫や仕入れにも問題があると思われます。緊急事態宣言下、あまり商品が動かなかったけれども、1日からガンガン動く可能性があります。それを見越して酒販店も仕入れを行いたいところですが、解除後の動きが読みにくいのでどこまで仕入れて良いか判断に迷うところです。NBの大樽や大瓶、中瓶などは最低発注本数がかなり大きいので各社バイヤーさん、発注担当者は頭を抱えていると思います。発注からのリードタイムの関係でもうすでに間に合わない商品もたくさんあるでしょう。正直なところ、酒販店側も出たとこ勝負をするしかない部分も多いと思われます。加えて、タイミングの悪いことに台風16号が接近中で1日に首都圏直撃という天気予報も出ていますね。さてさて、実際どうなるか。前途多難のスタートになりそうな気がします。

酒類提供再開は嬉しいものの、ちょっとリハビリ期間というか、関連産業との連携回復のためにも慣らし運転が必要だろうなぁと思ったり。