【雑記】普通じゃダメなんでしょうか

ちょっと前のことです。クラフトビールをたくさん揃えている馴染みの酒屋さんに行きました。

そこはいわゆる角打ちもしているところで、買ったものをその場で飲むことも出来ます。奥さんと2人でいたので、とりあえず1杯飲みながら自宅に買って帰るものをどうしようか相談していたのです。

「どういうのがいいかな?」
「んー、普通においしいのがいい。変なのはいらない」

ふうん、あ、そう。じゃ、奇を衒ったものや一か八かになりそうなものはやめておこう。飲んだことがあって、安心感のあるものがいい。

ということで、IPAはModern TimesのOrdervilleにしました。こちらはこのブルワリーの定番Hazy DIPAで、個人的にはとても良い印象を持っています。缶詰したのも2ヶ月ほど前だったし、まぁ、いいかな、と。

レジで会計をしている時、近くに知り合いがいてこう言いました。

「随分普通の飲むんですね」

きっと何の意図もなく、思ったことを口にしただけなのでしょう。そう言われたからと言ってこちらも怒るわけでもなく、イラッとすることもなかったのだけれども、なんだかとても不思議な感じがしたのでした。

僕は普通じゃないものを飲むと思われているのだろうか。
普通じゃないものを飲むのが良いことなのだろうか。
普通じゃダメなんでしょうか。

そもそも普通って何のことだろう?

会計を終え、僕はちょっと考えて「凝ったものを飲むと疲れたりしますからね」と一言だけ言った。

僕の普通は誰かの特別かもしれないし、誰かの普通は僕の特別かもしれない。同じである必要はないし、それは別々で構わないだろう。エクストリームなもの、レアものを飲むのも決して悪くはないが、あーだこーだ言いながら、たまには愚痴ったりもしつつ、奥さんと2人で飲むのが気楽で良い。そういう時こそ旨さが倍増する気がするし、そういう時は何でも特別な普通になると僕は思うんだ。