三ツ矢じゃないサイダーの話

クラフトビールだけでなく、少しずつ「サイダー」という言葉を聞くようになりましたね。同じ醸造酒ですが、こちらはリンゴ。フランス、イギリスが有名ですが、近年はアメリカでも盛んに作られています。酸味もあって、ランビックファンの私としては大好きなお酒の一つです。この時期には最高ではないでしょうか。ペリー(洋なしの醸造酒)はまだ日本では全然見かけないのが残念ですが・・・

さて、CAMRA(カムラ、campaign for real ale)はリアルエールだけでなく、サイダー、ペリーも大事にしています。本物のサイダー、ペリーとは何か?という疑問に端的に答えてくれている文章があるのでご紹介したいと思います。

Real Cider & Perry
Real cider is a long-established traditional drink which is produced naturally from apples and is neither carbonated or pasteurised. However real cider is in a similar situation to that which faced real ale some 30 years ago with the number of outlets for real cider diminishing, even in the West Country. The situation with perry (which is made from pears) is even worse, as it is rarely available away from the farm gate. It is unfortunate that many of the most well known ciders in the UK are cold, fizzy keg products which have been produced artificially rather than naturally.
リアルサイダーとは長い伝統を持つ飲み物で、リンゴからナチュラルに作られます。炭酸を溶かしこんだり、殺菌処理はしません。リアルアイダーは30年ほど前のリアルエールと似たような状況にあって、どんどん少なくなっていっています。洋梨から作られるペリーは更に状況が悪く、農園以外では滅多に手に入りません。UKで一番有名なサイダーはナチュラルと言うよりは人工的な、冷たく冷やして飲むシュワシュワしたケグ詰めのものになってしまっているのは残念です。

It is well worth you tracking down some real ciders and perries and more and more people are discovering for themselves how deliciously mellow, aromatic and intoxicating the flavours of naturally produced real cider can be.
リアルサイダー、ペリー、そしてその他のものについて掘り下げていくことには大きな価値があり、リアルサイダーの美味しさを発見してほしいものです。

As a result of the difficulties facing real cider, CAMRA set up a cider and perry committee within CAMRA to inform consumers about the choice of real cider and perry available and to encourage the producers to continue production.
リアルサイダーが困難に直面しており、CAMRAの中に消費者に入手できるリアルサイダー、リアルペリーの情報を提供し、生産の継続を促す機関を設立しました。

日本のビール品評会(コンペティション)では聞いたことがありませんが、世界では品評会のカテゴリーにサイダーやペリーが入っていることも多いです。CAMRA主催のGBBF(Great British Beer Festival)には当然のようにありますね。果物由来の美味しい酸味をもっと多くの方に知って頂きたいなぁとCRAFT DRINKSも考えています。

次回はリアルサイダーの決まり事についてご紹介します。