アサヒ、有名海外ブランド買収で基本合意
ビッグニュースです!アサヒ、有名海外ブランド買収で基本合意との報道がありました。具体的に挙がっているのは2月11日現在、イタリアのペローニ、オランダのグロールシュ、イギリスのミーンタイムです。今年後半に実行されるそうです。
CRAFTDRINKSでは「ローカルなクラフトブルワリー」に注目しつつ、対比的にコモディティである大手のビールにも関心を寄せています。今までこのブログで買収や提携などについて色々とご紹介して参りました。報道自体は昨日あたりから色々と出ていますが、それに加えて文脈も押さえて頂ければと思います。
まず、ソースは日本語ではこちら、英語ではこちらを挙げておきます。
今回の買収劇は単発ではありません。AB Inbev(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)とSAB Miller(サブミラー)の合併に伴う動きであったことを押さえておきましょう。世界のビールシェア30%以上を持つ超巨大企業が誕生することになります。その合併で以下のことが指摘されていました。
①合併に伴い独占禁止法に抵触する恐れがあり、一部ブランドを売却予定。 今年買収されたばかりのイギリス・ミーンタイム醸造所が早速売却候補に挙がる。
②インベヴ、買収を加速。 イギリス・カムデンタウン醸造所、アメリカ・フォーピークス醸造所、 ブレッケンリッジ醸造所。
③販売強化の為、 インベヴが中間流通業者に対してリベート強化。カナダではそれに対して不買運動にも発展か?
④あまりの規模の為、 公衆衛生や健康問題などが生まれる可能性を指摘され、議論になる。
あまりの大きさに独占禁止法に抵触する恐れがあり、ブランドポートフォリオの整理を余儀なくされました。その中で売却するブランドが出てきたわけです。それが指摘①に当たり、今回アサヒが買収すると思われるものです。超有名ブランドであるイタリアのペローニ、オランダのグロールシュを買収することで海外販売力の強化されます。また、販社も一緒に買収する報道もあり、買収した銘柄のみならずスーパードライの取り扱い先も確保していることになります。コモディティとしてのビールは一つの国に収まらず、世界戦争状態となっています。マスマーケットはこの流れでしばらく行くでしょう。その分、ローカル色の強いクラフトビールはますます面白くなります。個人的には大歓迎です。
さて、私が注目するのはミーンタイム。ミーンタイムのこれまでの流れはこちらに書いたのでお目通しください。振り回されすぎて、なんだか可哀想で・・・とはいえ、日本にも輸入される可能性が出てきましたから、それはそれで。今後の展開の仕方には注目していたいと思います。
日本国内の大手は今後どういう動きを見せるでしょうか。キリンはライオンネイサン買収により既に海外ブランドを持っています。サントリーはアメリカのバーボンメーカー、ジムビームを買収しています。(蒸留酒の方が儲かるという判断ですね。)サッポロはどうするのか、ちょっと気になっています。