大手の都合に振り回されるミーンタイム、合併に際して売却予定ブランドに挙がる

大手は非情です。不要だと思えば、切り捨てます。振り回される方の身にもなって欲しいですね、本当に。meantime(ミーンタイム)は本当に可哀想。

AB Inbev(アンハイザーブッシュインベヴ、以後インベヴ)がSAM Miller(サブミラー、以下ミラー)を買収するという話があります。最初の報道は10月あたりだったでしょうか。たとえば、こんな記事でした。

インベヴとミラーが合併するということはどういうことか?それは世界で一番大きい会社が2番目に大きい会社を買収すること。その結果、地球で流通するビールの30%を1社が供給するということになります。恐ろしく大きな会社が誕生するということです。

あまりにも巨大なので独占禁止法に抵触する恐れがあり、各所で様々な議論が起こっています。最早ただの民間企業同士の買収劇ではなく、議会や国をも巻き込む話になっています。12月7日の記事では議会でヒアリングが始まったことを報じていますので、ぜひご覧ください。

インベヴ、ミラー側も独占禁止法に抵触することを予想し、保有するブランドの整理に乗り出すと言われています。そこで名前が挙がっているのが、イタリアのペローニ、オランダのグロールシュ。そして、イギリスのミーンタイム。

ミーンタイムはミラーに買収されたばかり。「ミラーに買収されても作りは変わらないし、美味しいものを作っていくよ」とリンク先の記事で語っていましたが、その親会社のミラーが買収されてブランド整理をせざるを得ない為に今度はインベヴから早速売却されそうになっています。大手の都合で振り回されてしまう。これは本当に理不尽な話です。

美味しいとかまずいとか、品質が高いとか低いとか、そういう話ではありません。ブランド構成ポートフォリオ上、不要だから。それだけです。そこに職人の思いや情熱なんてものは一切関係ない。悲しい現実です。

この話はもう少し抽象化して考えたい好例だと思います。「大手に買収されたら、大手の都合で容赦なく捨てられてしまうこともある」ということです。ハイネケンはラグニタスを買うと言っていますし、コンステレーションはバラストポイントを買うそうです。もしIPA人気に陰りが見えたら・・・まさか、とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、こういう想像が現実味を帯びてくるから怖いのです。

全く逆の方向性の話として、以前「従業員が自社株を持つこと」という記事を書きました。こちらも合わせてご覧ください。