衝撃的事実。アメリカでは行政が醸造所開業を推進している!
昨日こんな記事を読み、私は愕然としました。一言で言えば、ヤバい。通常有り得ないことが起こっています。
Amid craft beer boom, San Francisco moves to ease brewery openingsと題されたこの記事では、サンフランシスコの行政が始めた醸造所開業をより簡単にする試みを紹介しています。開業を考えているオーナー向けに発表されたオンラインのガイドがそれで、ガイダンスにしたがって順番通りこなしていけば開業にあたってよくつまづく部分などをクリアできるようになっているそうです。建設可能な地域の検索や法律に関することまで面倒見てくれます。至れり尽くせりです。
通常、行政側は「公共福祉」や「健康問題」を挙げて積極的にアルコール事業を推進するということはありません。街に酔っ払いが増えて治安が悪化したり、飲み過ぎて体を壊す人が増えても困るからです。お酒の免許 「オフプレミス」と「オンプレミス」という投稿でも書きましたが、免許制にすることでむやみに増えないようにコントロールします。普通は「条件を整えて申請すれば審査はしてあげるけどね」くらいのもので、絶対に「是非醸造所を開業しましょう!!」なんて言いません。だから、今回すごいのです。行政が積極的に醸造所開業を推進しているということは通常とは真逆の流れです。
ビールが流行していることは間違いなく、それに付随して物流や卸、小売業の雇用が生まれたり、自治体の税収増加が期待できます。また、本文にもありますが、自家醸造が趣味だった人が独立するのを支援する意味合いもあるそうです。アルコール産業にチャレンジする人を後押しする仕組みがあるというのは素晴らしいことだと思います。そういう方向に舵を切れるアメリカという国の凄さが垣間見えるわけです。
さて、日本はどうでしょうか?いわゆるどぶろく特区のような規制緩和による開業促進はありますが、これは日本酒の話になります。ビールについては聞いたことがありません。行政が醸造所の誘致や開業の手伝いをするなんて言わずもがなで・・・。消費者として選択肢が増えることは良いと思いますから、志のある醸造家が開業しやすい環境になってくれたらいいなぁと思うばかりです。