お酒の免許 「オフプレミス」と「オンプレミス」

世界のお酒に関する免許は本当に様々です。例えば、バーやレストラン用のアルコール販売免許が無いとお酒を扱ってはいけない国もあります。

流通用語でいう「オフプレミス」と「オンプレミス」の違いを押さえておきましょう。「オフプレミス」というのは、「買った場所から離れて消費することになる小売」のこと。つまり、酒屋さんで買って自宅に持ち帰るような形です。これに対し、「オンプレミス」は買った場所での消費・小売です。レストランやバーで提供される場合がこれに当たります。(再販を目的とする販売は「卸」の扱いになるので、wholesale用の免許となります。全く別のものとなるので注意。)

面白い例を揚げましょう。アメリカのニューヨーク州では州の法律で「お酒のオンプレミス免許」をこのように規定しています。

ON-PREMISES LIQUOR: Generally considered to be the standard “bar” license. Allows on-premises consumption of liquor, wine and beer and also allows for sale of beer (only) for off-premises consumption. Food, such as soups and sandwiches, MUST be served.

出典 New York State Liquor Authority  DEFINITION OF LICENSE CLASSES

最後の部分が興味深いですね。スープやサンドウィッチなど、フードが絶対に無いとダメ!としています。いわゆる、お酒だけの「飲み屋」は認められ無い免許の規定です。長くなるので詳細は記述しませんが、ニューヨーク州では「ビール」と「それ以外のお酒」の免許は別々になっています。文化が違うと、こういう部分も違うのですね。

さて、日本ではお酒に関して「レストラン用免許」や「バー用免許」はありません。「その場で飲用するものであれば、提供に当たって免許は不要」となっています。これは世界的に見て結構ゆるいものです。免許制にして一定程度限定を加えないと街に酔っ払いが増えるかもしれないし、治安が悪くなる可能性もある。健康被害が増えるかもしれない。販売できる場所だけでなく、販売可能な時間も制限しているところも結構あります。(確かカリフォルニア州は深夜の販売は禁止されていたと記憶しています。)

日本はお酒に関して結構寛容な国で、コンビニで24時間お酒が買えます。このような法律・習慣に我々は慣れてしまっていますが、お酒の免許は日本の常識が世界では通じない好例の一つかと思います。