Kindle で「文脈とビール」改訂版をリリースしました

一つお知らせです。

コミックマーケット97に参加した際にリリースした「文脈とビール」という本がKindleで読めるようになりました。表紙はビール仲間のびーるのみたい。のちゃーりーさんに作って頂きました。感謝感激!Kindle Unlimited対象なので会員の方は無料です。駄文書き散らしておりますが、お目通し頂ければ幸いです。

さて、この「文脈とビール」の位置づけについて少しだけ記しておきたいと思います。

コミックマーケット96で出した「クラフトビールの今とこれからを真面目に考える本 」は理論と言いますか、「人間とビールと社会の関わり」のような視点で捉えた事柄を文章にしたものでした。統計と情緒、定義の必要性、法律などをCRAFT DRINKSなりに論じたわけですが、概ね大きな枠組みの話が中心で個別のブルワリーやビールを中心に据えた話はしておりませんでした。

それに対して今回Kindleでリリースした「文脈とビール」は個別のビールと、その中に感じ取られた美や感動、不安、概念の拡張について綴っています。あくまでもCRAFT DRINKSというフィルターを通して切り取られた感覚や概念なのでこれが一般的なものとは言えません。各人の経験や巡り合わせ、それこそ文脈によって捉え方や解釈は著しく異なると思います。そのため、この本には正解だとか公理のようなものはありません。あるのは一生懸命飲んできた記録です。

取り上げているビールには極めて希少なものも含まれています。たとえば、博石館のスーパービンテージなどブルワリー自体がもう既に無いのでその液体が日本のどこかに残っているのかすら分かりません。今後飲めるのか、それは運とか縁があるかどうかにかかっています。私はたまたま出会うことができただけの話です。けれども、他のものについては出会えていないのもまた事実。他の誰かも運や縁があって私の知らない何かに出会っていて、そういう繰り返しが世界中で続いています。出会いの記録をより多くの方に気軽に発信してもらえるとシーンはより豊かになるのではないかと思っています。それは巡り巡ってブルワリーへのフィードバックにも繋がるし、コミュニティ発展の促進にもなるのではないかと大真面目に考えています。

今回は初めてのことでもあるのですでに出来上がっていたものを手直しする形でリリースしました。色々と書いてはいたものの新型コロナウイルスの流行の影響でエントリーしていたコミックマーケットもコミティアも開催中止となり、かなりの量の原稿が浮いております。そういうものをちゃんと仕上げて順次出していけたらと思います。