Jockey Box(ジョッキーボックス)
こういうものを見たことありますか?
ビール祭りに行くとブースにあるアレです。英語でJockey Box(ジョッキーボックス)と言います。野外でサーブする時に便利なビールサーバーで、これからの時期イベント会場でよく見かけると思います。
クーラーボックスを改造して自作することも可能です。youtubeに動画があったのでどういう構造になっているのかご覧ください。
クーラーボックスの中にステンレスのコイルが入っています。氷水で満たし、ビールがコイルを通過する間に熱交換されて冷えるという仕組みです。動画では氷を入れてから水を張っていますが、逆のほうが良いと思います。氷がコイルに直接触れていると中に水分があった場合凍ってしまうので注意しましょう。水を入れてから氷という順番です。また、コイルが全部水にかぶるように入れたほうが良いですね。
動画では長さ違いで2種類コイルを紹介していますが、違いは連続抽出能力。長い方が冷えたものをたくさん注げます。参考までに長さによって連続抽出の結果がどう違うかを実験をしている動画があるので見てみてください。
さて、コイルとは別にCold Plate(コールドプレート)と呼ばれる金属製熱交換プレートもよく使われます。下記写真のものです。(調べたらAmazonで買えるようです。写真をクリックするとAmazonに移動します。)
氷を載せ、コールドプレート自体を冷やします。その中をビールが通るようになっていて、通過する間にビールが冷やされるという仕組みです。コールドプレート1枚で複数のビールが出せるものもあり、たとえば上記写真は2タップ仕様です。私が所有しているのは4タップ仕様のもので、重宝しています。氷に直接触れているのでコールドプレートもかなり冷えます。しかし、通過する距離はコイルより短いので連続抽出の面では若干難アリかもしれません。ちなみに私の経験では外国製コールドプレートよりも日本製の方が連続抽出能力は高いと思われます。ま、その分値段も大分高いのですが。
コールドプレート、コイルそれぞれ一長一短なので、使用する環境や条件に合わせて選べば良いと思います。コールドプレートはかなり重たいですが、比較的コンパクトで一台で最大4種提供が可能。コイルの場合、120フィートくらい長ければ連続抽出能力は高いけれど、コイルが大きくかさばるので一台で多品種提供するのは難しいでしょう。
以前ご紹介したDraught Beer Quality Manualでは簡易サービングシステムについて一章割いており、仕組み、構造について解説してあるので興味のある方は是非一度ご覧ください。そこではコールドプレートよりもコイルが良いと紹介されていますが、CRAFT DRINKSとしては少々考えるところがあります。日本の真夏は外気温35℃を超えることもありますので、常温に置いたケグはかなり温まってしまいます。そのため、コールドプレートでもコイルでも冷却能力の限界を超えてしまって泡ばかりになってしまうこともあります。実際の使用においてはジョッキーボックスのセッティングも重要ですが、おそらく「ケグの保冷」が鍵になるでしょう。
ケグをできる限り保冷し、ジョッキーボックスのフォーセットをパーリックなどの流量調整機能付きフォーセットにすると更に微調整が出来ます。最高、最善の策だとは言いませんが、暑い日本の野外イベントでの使用を考えると最適解ではないかと思います。