【雑記】CRAFT DRINKS的キーワード「可処分時間」

最近つとに思うことがあるのです。

日本は大手と呼ばれるビール会社のピルスナータイプのビールが圧倒的シェアを誇り、クラフトビールはまだ1%ほどと言われています。そのクラフトビールの中でもIPAをはじめとするホッピーなビールが非常に人気を博しています。それは世界的にも同じ傾向ですが、なぜこれほど人気なのか?と考えてみました。

随分長い間この問いについて考えてみた結果、その1つの理由として可処分時間というキーワードにたどり着いたのです。

ビールの単価はワインやウイスキーよりも安く、カジュアルな飲みものです。価格という観点から見てビールは手を出しやすい。日本では発泡酒や新ジャンルのお酒もあり、安く飲もうと思えば選択肢の幅は広いはずなのですがビール類の消費は下がる一方です。恐らく可処分所得の問題だけではないのだろうと予想したわけです。そこで「可処分時間が無いのではないだろうか?」という仮説を立てました。

可処分所得ではなくて、可処分「時間」、です。おこづかいがないわけではないのだけれど、純粋に飲んでいる時間がないのではないか?と最近ニュースで見た映像などを思い浮かべたのでした。夜遅くまで残業し翌朝また早く起きて仕事をする毎日だと仕事終わりにゆっくり時間を気にせず飲むことは難しい。明日のことを考えれば深酒もしていられない。とにかく睡眠時間だけは確保しなくては。

とはいえ、なんだか飲みたくて仕方ない日があるのが人間というもの。短い時間ながらも美味しいお酒が飲みたい。そういう文脈では地味なものよりも特徴のはっきりしたお酒を、だらだら長時間飲むよりも短時間で飲みきることが重要になります。1パイント30分一本勝負、だったり。時間的にも1杯しか飲めないシチュエーションであればさらっとした地味なものよりもホップのガツンと効いたIPAなどを選ぶのではないだろうか。

近年のセッションIPAの人気ももしかしたらこれが理由なのかもしれない。明日も早いから酔っぱらってはいけないのだけれど、何か飲みたい。出来れば満足感の高いビールが飲みたいとなれば、特徴がはっきりしてながらも低ABVのものがぴったりだ。一躍注目されるのがセッションIPA、というわけです。知らず知らず「短時間で得られる強いインパクト」を志向する社会やライフスタイルに私たちは今いるような気がします。

・・・なんだかとりとめのない文章になってしまったのですが、たくさんあるであろう理由の1つに時間があるのではないかと疑っています。時間という概念が精神や行動に大なり小なり影響を与えている気がしてならないのです。

万人に平等なものなのに、何だか不平等に思えて仕方ないのは何故だろう。