【発酵の勉強】愛媛の梶田商店に醤油作りを見に行って来ました
ここ数年ずっと使っているお醤油があります。愛媛県大洲市にある梶田商店の巽醤油です。本当に美味しくて、こちらの再仕込み醤油のおかげで我が家のたまごかけごはんのレベルは圧倒的なものになりました。
そもそも醤油も発酵したもの。大麦ではありませんが、小麦を使用します。また、麹は発酵とも密接な関係があります。ビールを愛する者としても発酵食品には非常に興味があり、先日愛媛まで行って来たのでした。
レトロな袖看板。趣があります。
店頭にある、巽醤油いろいろ。
醤油瓶には日本酒の一升瓶を再利用。その洗浄機。隣には洗った瓶の水を切る専用の台も。
お醤油のタンク。
小麦を焙煎するロースター。味見もさせて頂きましたが、クリスプで美味しかったです。
焙煎した小麦を破砕するミル。
麹を作る室は暗くて良い写真が取れませんでした・・・仕方ない。
もろみの熟成庫。一歩踏み入れた瞬間に発酵による独特の香りが。
ぷくぷくと泡立つもろみ。見えないけれど、酵母が一生懸命働いているのですね。
大きな木桶。ここで櫂入れをします。この部屋はウイスキー蒸留所の香りに近いニュアンスがありました。
仕上がり具合を科学的に測定する為の分析室。
あとで気がついたのですが、絞りの槽やその枠の写真を撮り忘れておりました・・・残念。
醤油を絞った後の板粕。こちらは廃棄せず、加工して肥料になるそうです。
こちらが冒頭にご紹介した再仕込み醤油。
醤油の素人である私が語るのでは断片的すぎて伝わらないと思うので、是非一度HPのこだわりというページをご覧頂きたいと思います。原料選びや造り、そしてその前提にある考え方が綴られています。すぅっと体に染み込んでくるのはこうだからなのかもしれないなぁと思うのです。
お醤油自体が純粋に美味しい。加えて、一つ一つ理論に裏付けられた造りがあり、最高をものを生み出すために妥協はしないこと。そして、ご家庭の食卓と人々の健康をより良くしていこうという理念。クラフトビール屋さんであるCRAFT DRINKSから見るとそれは極めてクラフト的で、それを体現しているのがこのお醤油なのだと蔵にお邪魔して思ったのでした。
私どもCRAFT DRINKSはずっと「クラフトビールはクロスオーバーだ」と言い続けてきました。ワインや日本酒、シードルなどとも境界が曖昧になりつつあります。しかし、アルコール飲料でなくても、気がつけばすぐそばに日本古来から伝わるクラフト的なものがあるという事実を改めて知りました。そういう思想を通じて、色々なものが繋がって来るのです。行って良かった、心からそう思います。
お忙しい中蔵を案内して下さった梶田さんに心からお礼申し上げます。ありがとうございます。
【おまけ】
松山でつけ麺を食べてから飛行機に乗って帰ってきたのですが、その時のお店がこちら。こちらのお店ではタレに梶田商店のお醤油が使われていて化学調味料は一切使用しないとのこと。いわゆる「無化調」です。がっつり食べても胃のこなれ方が早く、体が軽くてビックリしました。香港の支店ではミシュランで星も取っているそうです。こういう繋がりも必然なのかもしれません。