CRAFT DRINKS的 “Beer of the year” スタウト編

CRAFT DRINKSでは不定期ではありますが、その時々のお勉強を備忘録的に写真を交えてご紹介して参りました。Instagramのアカウントに勉強の記録を残していますので、宜しければご覧ください。→@craft_drinks
そんな楽しい勉強(笑)の中、2016年に飲んで非常に質の高かったビール、印象に残っているビールを幾つかの部門に分けて”Beer of the year” として挙げていきたいと思います。

第四回目の今日は「スタウト」

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手前味噌ですが、CRAFT DRINKSが関わったヘットネスト醸造所のインペリアルスタウト「デッドマンズハンド」を選びたいと思います。インペリアルスタウトというとアルコホリックと言いますか、飲んだ時にかぁーっと熱くなるようなアルコール感を感じるものが多かった印象なのですが、これはその点危険なほど上手に醸されています。焦げた風味、ボディ、ドライなフィニッシュ、どこをとっても文句のつけようがない。ボトルの熟成感を伴う複雑さも素敵ですが、フレッシュでなめらかなケグも素晴らしい。パイントで飲んでも苦にならないドリンカビリティには驚かされます。

ヘットネスト醸造所は様々な種類のビールを作っていますが、何を作っても必ずストライクゾーンに収めることの出来る技術力に感服するに至るわけです。そして、どれも必要十分を満たしつつキャッチーさを兼ね備えていると思います。単にそれらしいものを作るのではなく、必ずフックになる部分が垣間見えるのです。そこが「いちいち憎いねぇ」と私に言わせる。ずるいなぁ、本当に。

人によって微妙に捉え方は違うかもしれないけれど、たとえば、「濃くない」と「薄くない」はちょっと違う。また、「重くない」と「軽くない」も違うでしょう。お酒自体が極めて繊細できわどいところを攻めているから、「濃くない」と「薄くない」の狭間をものすごく意識させられるのです。それを一言で言えば、「なんかイイよね、こういうの」になってしまうのだけれど。意識に作用するお酒というものはなんだかとても知性的ではなかろうか。ただ単に酔えれば良いというお酒ではない。ふと、そんなことを思うのです。

ちなみに、ヘットネスト醸造所のビールはトランプにちなんだ名前がつけられています。デッドマンズハンドは何ともいかついデザインと語感ですが、ポーカーの用語で「死人の手札」とも言われます。詳しくはこちらを御覧ください。