CRAFT DRINKS的 “Beer of the year” IPA編

CRAFT DRINKSでは不定期ではありますが、その時々のお勉強を備忘録的に写真を交えてご紹介して参りました。Instagramのアカウントに勉強の記録を残していますので、宜しければご覧ください。→@craft_drinks
そんな楽しい勉強(笑)の中、2016年に飲んで非常に質の高かったビール、印象に残っているビールを幾つかの部門に分けて”Beer of the year” として挙げていきたいと思います。

第二回目の今日は「IPA」

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アメリカ・マサチューセッツ州 Tree House Brewing Julius(ツリーハウスブルーイング ジュリアス)。

以前、濁ってますが、何か?という投稿でご紹介したBrightと同じ作り手のものです。敢えて一番に選ぶとすればJuliusになるのですが、このツリーハウスという作り手のIPAはどれもぶっちぎりで美味しかったです。6種類ほど試しましたが、どれもとてもつもない旨さ。あとはホップのニュアンスやらで各人の好みで判断すれば良い、という感じ。(私はオレンジやトロピカルフルーツのニュアンスのものが好みでしたが、グラッシーなものも極めて美味。どれも最高峰であるので何を選んでも問題ない。こういう風に悩めるということはどれほど素晴らしいことか。)

先述の投稿でも指摘していますが、「渋くなくてクリーンで苦い」という点がとにもかくにも素晴らしい。

IPAやホップをたくさん使うビアスタイルのものは大概「渋い」。「苦い」のではなくて、「渋い」のです。飲むと口の中がイガイガする感じで、私はとても嫌いです。Hoppy(ホッピー)であるということはホップが効いているということであって、渋みは要りません。それは理屈では分かるのですが、なかなか体現してくれるものがなくて困ります。そういう意味合いでも、このお酒は衝撃的でした。極めてクリーンで渋みがなく、アロマが強くて苦い。ホップの使い方という点ではそんじょそこらとは比べ物になりません。とにかく素晴らしい。

最近、国産IPAを積極的に飲まなくなってしまったのはこのビールのせいだ。この罪は重いぞ、ツリーハウス!(笑)

さてさて、美味しいからこそbeer of the yearに選出したのですが、もう一点だけ付け足しておきましょう。tree house brewingにも代表される、近年急速に注目を集める”New England Style IPA”だということも重要です。西海岸スタイルでもない新しい形のIPAについて話は聞いていたものの「どういうものなんだろうなぁ・・・」とずっと思っていたところ、「あー、そういうことか!」と私の認識を一つ拡張してくれました。これをマスターピースとして記録しておきたいと思います。

たまたまお土産で頂いたビールですが、現地でも極めて希少なものだそうです。とはいえ、醸造所を拡張するという情報が入ってきたので、アメリカ国内であれば少し手に入りやすくなるかもしれません。