世界のシードル図鑑、買いました!

タイトルの通りですが、買いました!

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なかなか日本語の書籍でまとまったものが無かったシードルですが、今回イギリスで生まれた専門書を日本語に訳したものが発売になりました。6000円するけれど、迷わず購入。間違いない!

さて、リンゴは世界中で栽培されていて、リンゴの醸造酒であるシードルももちろんたくさんの地域で作られています。イギリスはもちろん、ドイツやフランスでも。ガレットとシードルは鉄板コンビと言われますよね。こういう欧州のものだけでなく、この本ではアメリカのハードサイダーやカナダのアイスシードルにも触れています。なかなか情報が無かったので嬉しい限り。

そして、欧州・北米以外の地域のものも後半で取り上げていて、我らが日本のシードルも出てきます。日本には固有種のリンゴがあるそうで、それらで作られたシードルは他の地域には無い風味があるそうな。ビールよりもテロワールが反映されるであろうシードルは非常に面白いなぁと思います。

BJCPなどのスタイルガイドには必ずシードルのことが書いてあるけれど、まだまだ日本では認知が低いように思われます。シードルはもっとレストランやバーで使われて良いお酒だと思いますし、ご家庭で気軽に楽しんで頂きたいものの一つです。度数が高くないということ、そしてお酒に酸があること。これらはお食事と合わせるには良い点です。ペアリングを考えるのもまた面白いのではないでしょうか。また、シードルには完全無農薬、ビオディナミ、自然発酵で作られたものもあり、その風味にはヴァンナチュールやランビックに通ずるところもあります。そのようなワインやビールをお好みの方であればすんなり親しめる気がします。リンゴもまた奥が深いです。

ページ数は多くないけれど、ペリー(洋梨の醸造酒)にも触れていますし、ポモー(ポモードノルマンディ、リンゴ果汁とカルバドスをブレンドしたもの)も取り上げています。バーテンダーやビアパブの方にもお勧めの一冊です。

はっきり言って、この手の本は重版されにくい。良い本であっても、そもそも需要が少なかったりするのです。いつまでも あると思うな うまい酒という投稿で以前こう書きました。

師匠に言われた言葉を思い出します。「いつまでも あると思うな うまい酒」。これです。本当にそうなのです。ウイスキーに限らず、ワインもビールも全く同じです。テイスティングして「これだ!」と思ったものは絶対に買いです。次に欲しいと思った時には大抵手に入りません。無くなってから「買っておけばよかった・・・」と毎回後悔するわけです。その点、プロはすごいですね。ここぞという時に、倍プッシュ、三倍プッシュしてガツンと仕入れておきます。やはり目利きと相場感がモノを言う世界。

本もおそらく一緒です。「いつまでも あると思うな 専門書」。まずは本屋さんで手にとって是非パラパラめくってみて下さい。