南アフリカ政府はインベヴ・SABミラー合併に前向きだ!!

craft breweryの逆は何だろう?とふと考えました。
世間ではmega brewery(メガブルワリー)などと言われることが多いような気がします。日本だとアサヒやキリン、サッポロ、サントリー、オリオンの5社となると思います。世界に展開する会社となればCarlsbergやHeinekenなどの巨大企業を指すでしょう。どの業界にも大手というのは存在していて、その動向が大きな意味を持つことも多い。特に税金や法律などが絡むと。

そんなmega breweryの一つにSAB Millerがあります。Miller(ミラー)のことは商品名で聞いたことがあるかもしれません。しかし、SABってなんだろう?と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。これはSouth African Breweriesの略です。この会社が後にMillerと合併してSAB Millerになったのです。よく知るあのブランドもこの会社のもの、だったりします。ご興味ある方はこの動画を御覧ください。所有するブランドのビールがたくさん出てきます。

さて、以前SABミラーがインベヴに買収されるという話を書きましたが、その流れで幾つかの指摘されていることをアサヒ、有名海外ブランド買収で基本合意という投稿で列挙しています。その部分を引用しておきます。

世界のビールシェア30%以上を持つ超巨大企業が誕生することになります。その合併で以下のことが指摘されていました。

合併に伴い独占禁止法に抵触する恐れがあり、一部ブランドを売却予定。 今年買収されたばかりのイギリス・ミーンタイム醸造所が早速売却候補に挙がる。
②インベヴ、買収を加速。 イギリス・カムデンタウン醸造所アメリカ・フォーピークス醸造所ブレッケンリッジ醸造所
③販売強化の為、 インベヴが中間流通業者に対してリベート強化。カナダではそれに対して不買運動にも発展か?
④あまりの規模の為、 公衆衛生や健康問題などが生まれる可能性を指摘され、議論になる

あまりの大きさから一筋縄にはいかないだろうと誰しも思っていました。私個人としては①や④の部分でかなり揉めるだろうと予想していたのですが・・・こんな報道が出ました。お膝元の南アフリカのお話です。

AB INBEV’S GLOBAL TAKEOVER CONTINUES WITH $69 MILLION SOUTH AFRICA DEAL

冒頭を引用しておきます。

The merger that would consolidate the production of one-third of the world’s beer into one company just got one step closer to reality. AB InBev, the largest international beer producer, received approval for the deal from the South African government, who had previously complained that the acquisition of SABMiller might cost the country jobs. The deal comes with a no-layoff guarantee and $69 million.
世界のビール3分の1を生産するビール会社が生まれることにまた一歩近づいてきました。世界最大のビール会社であるアンハイザーブッシュインベヴは南アフリカ共和国政府の提案を受け入れました。政府はSABミラーの買収による国内雇用のことを問題視していましたが、雇用継続の保証と6900万ドルを拠出します。

続く部分には具体的に農家のサポート、地元での生産、ホップ栽培の新規開業などを挙げています。雇用も守るし、新たな投資もするので南アフリカとしてはOK、ということですね。一つ前例が出来そうだというわけです。これで超巨大ビール会社誕生がまた一歩現実に近づきました。Super mega breweryが。