“craft beer”と”クラフトビール” マイクロブルワリー(microbrewery)のこと
クラフトビールの醸造所に関する説明でこういうものを見ることがあります。
小規模な醸造所のことをマイクロブルワリー(microbrewery)と呼びます。
小さいってどれくらいのサイズなの?ということについてはなかなか説明してくれません。じゃ、大きかったら何て呼ぶの?などなど、色々と突っ込みたくなります。我ながら面倒な性分です(笑)
それはさておき、アメリカでは醸造所の種類をその名称によってきっぱり分けています。microbrewery(マイクロブルワリー)、brewpub(ブルーパブ)など何となく聞いたことがあるけれど、イマイチその違いが分かりにくかったものがあると思いますが、craftbeer.comの記事が非常によくまとまっているのでご紹介いたしましょう。
Microbrewery
A brewery that produces less than 15,000 barrels (17,600 hectoliters) of beer per year with 75 percent or more of its beer sold off-site. Microbreweries sell to the public by one or more of the following methods: the traditional three-tier system (brewer to wholesaler to retailer to consumer); the two-tier system (brewer acting as wholesaler to retailer to consumer); and, directly to the consumer through carry-outs and/or on-site tap-room or restaurant sales.
マイクロブルワリーとは「年間生産量が15000バレル(約1750kl)以下で、その75%以上が外部への販売となっている醸造所」のことです。問屋さんに卸したりして外部へ販売するのがメインで、自社消費はオマケです。
Brewpub
A restaurant-brewery that sells 25 percent or more of its beer on site. The beer is brewed primarily for sale in the restaurant and bar. The beer is often dispensed directly from the brewery’s storage tanks. Where allowed by law, brewpubs often sell beer “to go” and /or distribute to off site accounts. Note: BA re-categorizes a company as a microbrewery if its off-site (distributed) beer sales exceed 75 percent.
それに対し、ブルーパブは「レストラン併設の醸造所で、基本的にはそのレストランで販売する為に醸造するところ。」となります。外部販売ではなく、自前のレストランでの自社消費が中心です。この違いは知っておいて損ではないと思います。
以前の投稿で指摘した通り、日本と世界では規模が違いすぎて定義の流用は困難です。そして、大きさ・小ささは本質的にはビールの美味しさとは関係ないことでもあります。「美味しさを追求・担保する為に目の届く範囲に限定して規模を拡大しない醸造所」もあるでしょうが、「美味しくなくて販売量が伸びず、拡大しようと思っても出来ない醸造所」もあるでしょう。結果的に両方小さいわけですが、内容が全く違います。小さいことが良いことだとも限らないわけです。