グループ化と効率化の結果

昨日、ビール会社がグループ化しているという話をしました。BAの言うところのRegional Breweryは年間生産量15,000〜6,000,000バレルの規模の醸造所を指しますが、このサイズになると販路は地元の郡、州だけに留まりません。広く展開して他の州の大きなブルワリーと勝負することになります。クラフトビールの成長の鈍化やライバルの増加、近年のインフレ等々も相まって、スクラッチで始めたブルワリーが単独で伸ばしていくには厳しいマーケットになりました。10年、15年前だったら違っていたのでしょうが、もう今はしんどいですね。

そこで買収したりされたりして、グループを組んで流通の効率化などを行います。インベヴやモルソン・クアーズなどの大手の傘下に入ることもあれば、大きなクラフトブルワリー同士のこともあります。たとえば、ボストンビアカンパニーとドッグフィッシュヘッドはその好例でしょう。カナーキー(現モンスターブルーイング)やクラフトオハナもそういう流れで捉えて良いと思います。

さて、グループ化して効率化をすると言いましたが、それは物流だけではありません。上手に仕組み化すれば効率が上がり、様々な部門で人員が余るようになります。となると、当然リストラが行われます。そんな例が先週報じられたティルレイによる10バレルブルーイングのチームの解雇です。インベヴ傘下であった10バレルブルーイングを買収したのはほんの一年前で、ここからテコ入れするのではないかと思っていた矢先のことでした。

これも先週の話ですが、ティルレイはモルソンクアーズからブルワリーを買う話を進めていて、遂に買収を完了しました。グループ全体の成長が優先されるので、恐らくこれらのブルワリーで働いていた方々の一部もリストラの対象になるのだろうと思います。こういった買収やそれに伴うリストラはクラフトビールが大きな産業になった証拠でもあると考えますが、なんとも言えない気持ちになるのでした。

これから更にグループ化は続くと思いますが、その裏で独立系マイクロブルワリーはどういう決断をしていくでしょうか。今後も注目していきたいと思います。