【ビアパブ向け】ビール祭りに行ったらブルワーに尋ねるべきこと

5月になり、ビール祭りが全国で行われていますね。毎週末どこかで開催されています。今週水曜からけやきひろば春のビール祭りも始まりますし、正にシーズン真っ只中です。

仕入れ先や仕入れるビールを探しにビアパブの方もビール祭りに行くと思います。名刺片手に色々なブースを飲み歩いたり、取引先のブルワリーに挨拶したりするでしょう。最近どういうスタイルのビールが多いのかもチェックし、トレンドを知るのもまた楽しいものです。しかし、ただそれに終始しては勿体無い。多くのビール祭りでは実際に醸造しているブルワーが来ているので普段感じていることを直接質問するのが良いと思います。ブルワーも実際に店舗で提供している方のお話を聞きたいはずです。

さて、仕入れたいと思ったビールが見つかったらブルワーに是非こう聞いてください。これを尋ねることでご自身のお店にいらっしゃるお客様にも還元することが出来るはずです。

このビールのガスボリュームはいくつですか?
ブルワリーとしては何℃で提供するのが良いとお考えですか?また、その時ビールホースは何mにするのが良いですか?

ビールには元々炭酸ガスが溶け込んでおり、そのガスの多寡が味わいに大きく影響します。ガスの抜けたヴァイツェンは美味しくないし、舌がピリピリするほどガスが溶け込んだイングリッシュビターもまた嫌なものです。そのビールに対して炭酸ガスの溶け込んでいる量が分かればお店で提供する時のセッティングが決まります。ですから、是非ブルワーにこの数値は尋ねましょう。

次に温度です。キリッと冷やした方が美味しいビールもありますし、ぬるいくらいがちょうど良いものもあります。まずは作り手がどういう温度で飲むのが美味しいと思っているのか尋ねてみては如何でしょうか?それがご自身の意見と同じかもしれませんし違うかもしれませんが、まずは作り手の理想とする最高の状態を知っておくのは損ではありません。それを再現すれば味わいに間違いはないと思います。

最後にホースの話。高いガスボリュームだと平衡させるのにもやはり高い圧力をかけます。その結果、ビールの抽出速度が速くなります。速すぎるとグラスにガツンと当って泡が立ってしまいます。そうなった場合ビールは泡が泡を呼びますから何をどうやっても上手に注げないのです。ですから、ホースを長くすることで抵抗をかけ、ビールの流速をコントロールすることが大事です。逆に、低いガスボリュームであればそれに合わせて弱く圧力をかけるとホースが長過ぎた場合抵抗がかかりすぎてチョロチョロとしかビールが出てきません。その場合は提供しやすいようにホースは短くすべきでしょう。推奨されるホースの長さもそれぞれのビールで変わりますからここも是非確認してください。

そのビールのことは作った本人であるブルワーが一番詳しい。ですから、気に入ったビールが見つかったら是非ガスボリュームと温度とホースの長さのことを尋ねてお店のセッティングに反映させてください。ブルワー、ブルワリーが理想とする形で提供出来るはずで、それを召し上がるお客様もきっと喜んでくださることでしょう。

・・・万が一にもそんなことは無いと思うのですが、もし尋ねてみて「強めにガスかけて温度は低めにし、ホースはいい感じで」などと適当なことを言うブルワ―がいたら仕入れるのはやめておいた方が良い気がします。

ガスボリュームや平衡については以前キーケグは逆さまにする必要があるのか?という記事でも少し書きました。合わせて御覧ください。