【雑記】三振でも良かったんだ、ただただフルスイングが見たかった

9回裏2アウト。一打出れば逆転勝利の大一番。長年追いかけ続けている選手の一振りに僕らは夢を賭けた。

Hood To Fujiというポートランドと日本のブルワリーがコラボレーションするイベントが先日ありました。昨年はポートランドで開催され今年は日本の番ということで、代官山にあるSpring Valley Breweryに行って参りました。

開始を待つ人で長い列が出来、会場は1階、2階共にビールを愛する方々で大賑わい。最初はビールを注いでもらう列も長くて大変でした。仲間と一緒に数人で今回提供された17種類のコラボビールを一通り試しましたが、ごく一部を除いてどれもちゃんと醸されていたと思います。しかし、全体的に小粒というか、フルスイングした感じがしませんでした。

これはあくまでも1人のビールファンとしての意見なので誤解して頂きたくないのですが、せっかくビール天国であるポートランドのトップブルワリーとコラボレーションしたのだし、自前の看板ではなくて「一回限りのコラボなので」という説明も出来るのだからバカバカしいほど振り切った姿が見たかったなぁと思うのです。悔しいと言うか何というか・・・ファンとして何とも言えない気持ちになったのでした。

たとえば、こういう感じ。

9回裏2アウトでバッターボックスに立った。舞台は整った。スタンドで応援するファンとしては普段どれほど頑張っているか知っている。だから、この晴れ舞台にはホームランを期待してしまう。きっとドカーンと場外までぶっ飛ばしてくれるんじゃないか、と。でもね。真っ向勝負のストレートを空振り三振したとしてもそれでいいじゃないか。フルスイングしたのなら。それはそれでその姿に感動したと思うんだ。にもかかわらず、この勝負どころのこのタイミングで「えぇっ、バントで内安打なの??」って感じがしてしまって、僕は呆然とした。ゲームセットの合図と共に何とも消化しきれないモヤモヤした気持ちが残ってしまったのでした。

Hood To Fujiというイベントを成立させるという意味で「試合には勝った」のかもしれないけれど、ビールファンの僕が見たかったのは「勝負」だったんだよなぁ・・・とこれを書きながら改めて思いました。負けないのがプロなのかもしれない。でも、僕は三振でも良かったんだ、ただただフルスイングが見たかった。

とはいえ。

CRAFT DRINKSとして思うに、今回のイベントのターゲットは私のような人間ではないだろうからあまり一方的に考えてしまうのもよろしくない。現地のブルワーの方々がわざわざ来日してくださり、直接お話をする機会を得ただけでもとても良かったと思うのです。まさか日本でGreat Notionの方に会えるなんて思ってもいなかったのですから。コラボした日本のブルワーの皆さんもこのコラボレーションを通じてきっと様々な意見やフィードバックがあったでしょう。今回の過程の中で知り得た知見もあるだろうし、仕上がった後に改善点も見えたと思います。召し上がった方からの意見もたくさん聞いていると思いますのできっとその経験がこれから活かされるに違いない。そう信じてやまない。