ビールはスッキリしていたのに、心はモヤモヤしたままなのです

サンプルをもらったのではなく、自腹で飲んだので思ったことを書いてみようかと筆を執りました。先に断っておきますが、そのビールが旨いとか不味いとかそういうことは書きません。それは皆さんそれぞれが飲んで感じて下さい。ここで綴っておきたいのはもう少し違った視点のお話です。

 

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事の発端は2月の終わりにクラフトビール市場の活性化を。キリンビール“第三の柱”「SPRING VALLEY 豊潤<496>」という記事を読んだ時のことです。あれ?と首を傾げたのでした。何かヘンだぞ。嫌な予感がする。

上記記事には下記の記述があります。

「『クラフトビール』という言葉に正確な定義はありません。キリンでは「スプリングバレーというブランドに込められた150年にわたるストーリー、先人の志、魂を受け継いだ醸造家の想い、それらを具現化したおいしさを味わってもらうことを『クラフトビール』と考えます」(田山さん)

なるほど。クラフトビールについての見解は理解しました。それとは別にこうもあります。

国内のビール市場におけるクラフトビールシェアは0.9%(2020年・キリンビール推定)。「『SPRING VALLEY 豊潤<496>の発売で1.4%の規模になります。今後は3%、長期的には5%に持っていきたい。その中で、量販マーケットで手に取りやすい『SPRING VALLEY 豊潤<496>』で家庭でのクラフトビール体験につなげたい考えです」(キリンビール 布施孝之 社長)。

うーん。

発言している方が違うとは言え、違和感がある。素朴な疑問なのですが、定義が無いのにマーケットシェアが計測出来るものなんでしょうか?「ストーリー、先人の志、醸造家の想い、それらを具現化したおいしさを味わうこと」は個別にカウント出来て、それがマーケットシェアを0.5%押し上げるんですかね。そこんところどうなんでしょ?私は頭があまり良くないので、ここが全く理解出来ませんでした。きっと私の理解の範疇を超えるロジックがあるのだろう。

なんともスッキリしない気持ちのまま発売日を迎え、先日実際に飲んでみました。まぁ、なんというか、色々と思うところはあるのですが、それはさておき、果たして私の気持ちはビールとしてカウントされたのでしょうか。それともクラフトビールとしてカウントされたのでしょうか。分からない。このビールは結構スッキリしていたのに、心はモヤモヤしたままなのです。

クラフトビールの定義は皆さんとても気になるところのようです。twitterでも様々な意見を見ました。毎回議論は大きく盛り上がるのですが、落とし所が難しい。色んな視点が混ざりすぎていたり、抜け落ちたりしていて必要十分を満たしていないという気がしてなりません。私としては統計的なクラフトビールはちゃんと定義しておくべきと考えます。他方、情緒的なクラフトビールについては各人の心にあるものなので私個人は特段気にしません。好きに考えればよろし。そこでコミュニケーションが生まれるならば尚よしって感じでしょうか。そして、その時その液体に対して「クラフトビール」という言葉を使うことが妥当なのか、それとも別の言葉を発明すべきなのかも一緒に考えてみたいですね。・・そんなことを以前本に書いたのでAmazonで買って読んでね!

マーケットシェア算出の根拠とか色々書きたいことがあるのだけれど、大分長くなるのでまた別の機会に。次に出版する本にでもまとめて書きますかね。