「いい感じ」

テレワークしていると外にほとんど出かけないので、本当に全然運動していない。iphoneのヘルスケアアプリのデータを見ると、先週の日曜日は1500歩も歩いていなかった。運動していないことに気がついてはいたけれど、こんなに少なかったのか・・・

動いていないのにいつも通り食べているから当然ながら太るわけです。先日久しぶりに体重計に乗ってみたら2kg以上増えていました。お酒をセーブするかどうかは一旦保留なのですが、とりあえず運動して痩せようと自宅で筋トレを始めました。今まで全然やってこなかったので急に始めるとしんどいですね。プランクしている間なんて心が折れそうになります。一進一退の攻防が続いていますが、ここで挫けずしばらく頑張ってみようと思います。目指せマイナス2kg。

それはさておき、お酒は仕事でもあるのですが、趣味は料理と食べることです。自宅にいるとyoutubeで料理人の方の動画を好きでよく見ます。筋肉つけて痩せたら基礎代謝も上がるだろうから一杯食べられるはず。その時のためにも色々と予習しておこうかと思ったのです。

Gordon Ramsey(ゴードン ラムゼイ)EATER(イーター)あたりは相当な数の本数を見ました。Epicurious(エピキュリアス)4Levelsシリーズなどはオススメ。「あー、こういう意図でこういうアプローチしているのか。なるほどね」と感心することもしばしばです。

最近「むむっ、これは!!」と思ったチャンネルがグランメゾンのまかない飯。長谷川稔グループのfaveというお店のシェフであるファビオさんがゆるーく料理をしながら色々と教えてくれます。ペペロンチーノを作るのにハンドブレンダーを使って完全に乳化させちゃうなんて。言われてみれば確かにそうだ。なるほどなぁ。

グランメゾンのまかない飯の動画は全て見ましたが、気がついたことがあるのです。ファビオさんは「いい感じ」というフレーズをものすごくたくさん使う。

いい感じ

何の変哲もないひとことなのですが、この「いい感じ」っていうのは本当に難しい。理想形が見えていてそれに限りなく近づけていくことを表していると思うのだけれども、器材や食材の状態など変数がたくさんある調理という関数を「いい感じ」に解くというのは大変なことだと思う。「いい感じ」を体得するには想像を絶する修業の日々があったのではないだろうか。きっと並大抵の努力では届かない高みなのだろう。

最近youtubeの料理動画を見ていて思うに、現役の一流プロが惜しげもなくその技術や仕事ぶりを披露していて人気を博しています。「無料で良いの?」とこちらが心配してしまうくらいのものがたくさんあるのです。そのせいもあってか、私の場合だと一般の方の料理動画はあまり見なくなってしまった。昔は主婦の方の節約レシピ動画なんかも結構見ていたのですが、今は他に見るべきものがあり過ぎてそちらからは足が遠のいてしまったのです。

ちょっと冷静に考えてみると、youtubeの業界もボーナスステージが完全に終わったのだなぁ。プレーヤーと投稿される動画が増えていく中で超一流のクリエーター、プロフェッショナルが参入してきて相当クオリティの高いコンテンツが出てきました。それがだんだんと認知され始めたからこそ、ぼちぼちのものでは評価されなくなってしまったということなのかもしれない。実力は折り紙付きなのであとは見せ方だけなのだろう。ブラッシュアップしたら一気に人気になるだろうし、その差はぐんぐん開いていくはずだ。今後も一流のプロがどんどん参入してくるとなると視聴されるのはますます難しくなって可処分時間、可処分精神はそちらにガンガン取られていく。

いい感じでないと評価されない。これは間違いないだろう。逆に、いい感じであればちゃんと評価されるとすれば発信者側はどうすれば良いのだろう?

きっとビールも同じで、いい感じのビールならちゃんと評価されると思うんですよね。プロダクトとしてちゃんと出来ていて、そのいい感じが伝われば。良いプロダクトであるという前提で、その「いい感じ」であることを誰にどのような方法で語り、そして「いい感じ」を共有していくか。動画では味も香りも温度感も伝わらないし、物理的・身体的に飲むという行為が絶対に排除できないビールを含めた飲み物全般の「いい感じ」の表現方法について今一生懸命考えています。