まるでネクターやピューレのようで。この口当たりを求めていたのだと気が付いた
衝撃を受けたビールについて少々綴っておこうと思います。ビールにはまだまだ探索するべき領域がたくさんあるのだと教えてもらったような気がするのです。
先日アメリカ旅行をした知人のお土産ビールを飲ませて頂く機会に恵まれたのですが、下記のOld Nation Brewing M-43というNew England IPAが凄すぎました。旨過ぎる。
Old Nation Brewingはアメリカ・ミシガン州デトロイトから西に100kmほど行ったところにある、2015年創業のブルワリーです。こちらは定番品で、非常にレベルの高い、抜群に美味しいNew England IPA。一口飲んで驚愕したのですが、マウスフィールがとてつもなく重いのに柔らかかったのです。ホップ由来のフレーバーが複雑に合わさり、桃やマンゴーのピューレのように感じられました。
嫌味な苦みも辛みもない。桃ネクターだな、こりゃ
思わずこう呟いてしまったのです。6.8%でここまで出来るのか・・・と溜息が漏れるのです。
一緒に飲んでいた人が言うのです。
すごい粘性だ。このマウスフィールは国産では見ないなぁ。出来ないのかなぁ・・・。
そうそう、そうなのです。一般的な作り方はたくさん情報が出回っているので知ることは出来ます。オーツや小麦を使うことも知られていますが、どうしてもこうならない。少なくとも私の経験した国産NEIPAにこれほどネクターのようなマウスフィールだったものは無かったように思います。ジューシーでネクターを思わせるNEIPAを志向するならばやはりこういう柔らかくて重たいマウスフィールが大事な要素になると思います。水質調節だけでもなさそうだし、やはりモルトビルがポイントなのだろうか。何かコツがあるのでしょうが、まだ自分の中で納得できるところまで消化できていない。これからも継続的に調べていこうと思います。
もう一点NEIPAの美味しさに関して指摘しておきたいのは「大根おろしを思わせる、飲み込んだ時に感じるピリピリした辛味がないこと」です。国を問わずNEIPAには結構感じるもので個人的には本当に嫌いな風味です。このOld Nation Brewing M-43には一切ありませんでしたが、あれがあると本当に凹みます。飲む前のアロマで期待が膨らみ、飲んだ瞬間ジューシーさにうっとりするのですが、最後にあれがあるとガッカリ。あちゃー、やっちゃった・・・という感じ。
少し前に行ったとあるビールイベントでそういうものに当たりました。有名なブルワリーのNew England IPAでしたが、大分しんどかったです。喉が焼けるような感じで、全く飲みきれない。しかし、SNS上ではあの大根おろし味も含めて高く評価している方もたくさんいらっしゃいました。あの風味がデフォルトであると認識している人がそこそこいるのだと思うと何だかやるせない気持ちになるのです。言葉を尽くすよりも現物を一回飲めば「あ〜、なるほどね」となると思うのですが、これがなかなか難しい。どうしたら良いのでしょうかねぇ・・・
なにはともあれ、このような貴重な経験をさせて頂き、ありがとうございます。この機会を作ってくださった皆様に心よりお礼申し上げます。