CRAFT DRINKS的 “Beer of the year” 2017③IPA編

CRAFT DRINKSでは不定期ではありますが、その時々のお勉強を備忘録的に写真を交えてご紹介して参りました。Instagramのアカウントに勉強の記録を残していますので、宜しければご覧ください。→@craft_drinks
そんな楽しい勉強(笑)の中、2017年に飲んで非常に質の高かったビール、印象に残っているビールを幾つかの部門に分けて”Beer of the year” として挙げていきたいと思います。

前回のサワーエールに続き、第二回目の今日は「IPA」です。

Great Notion Ripe IPA

Great notion ripe IPA. This is the best IPA of the year for me. #greatnotion #ripe #best #ipa #craftbeer

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問答無用で、これ。ぶっちぎりです。ポートランドに行ったらGreat Notion(グレイトノーション)には絶対に寄って下さい。後悔はさせません。

Great Notion Brewingは自家醸造を趣味とするオーナーたち3人が地元に立ち上げた創業2年の若手ブルワリーです。aboutのページにこうある通り、Hazy IPA、そして料理からインスパイされたサワーエールとスタウトばかり作っています。

We focus primarily on juicy, hazy IPA’s and culinary-inspired sours and stouts.

まぁ、随分とエッジの効いた液種ですね。立ち上げたばかりのブルワリーが近隣との差別化として尖った液種ばかり作ることはままあることです。変化球なのかデッドボールなのか分からないものも結構ありますが、Great Notion Brewingに限ってはどれも抜群のクオリティです。現地でその日提供されていたものを片っ端から試したのですが、とにかく全部美味しい。その中でも今回挙げているRipe IPAは衝撃的な美味しさでした。写真の色を見ても分かる通りものすごい濁りのHazy IPAですが、雑味やホップの渋さはなくマンゴジュースを飲んでいると錯覚するほどのジューシーさで心の底から感動したことを今でも憶えています。現代クラフトビールシーンにおいて最も重要な位置を占めるHazy IPAの1つでしょう。満場一致でBest IPA of the yearです。

Great notion has smaller equipments than expected. #greatnotion #craftbeer #portland #equipment

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店内の風景は木を基調として落ち着いた雰囲気です。ここに地元の人達が毎日溢れるほど集まり、素敵なビール片手におしゃべりを愉しんでいます。奥に見えるのが醸造スペースでタンクなどが置いてあります。こんなに人気なのにたったの7バレル(約800L)仕込みなのでブルーパブで全部消費されてしまい、全く外販されません。パブに行くとCrowler(クラウラー)と呼ばれる持ち帰り用の缶を買うことも出来ますが、そもそも用意している量が少ないので毎回買えるとは限りません。実際、お土産に缶も欲しくて滞在中2回も行きました(笑)その日は数人後ろで完売してしまったので、一本だけでも買えたのは幸運でした。

Ripe IPA片手に隣で楽しげに飲んでいたカップルとたまたま話をしたのですが、彼らはすぐ近くに住んでいる人たちでした。あぁ、イイなぁ・・・と心の底から羨ましく思うのです。このタイプのIPAは本当に足が早くて輸入には向きません。美味しい瞬間がとても短くて、極端に言えば一秒ごとに味が落ちる。フレッシュさが命のお酒を最高の状態でいつも飲める場所が確保されているなんて本当に幸せですね。クラフトビールのキーワードの1つである”Drink Local”、”Brew Local”というものを意識させられた瞬間でした。

以前、駅と家の間にで書いた通り、こんなブルーパブが近所にあったらどんなに嬉しいだろう・・・そんな妄想をしたのですが、ふと気が付きました。

あ、そうか、また行けばいいのか(笑)

 

Great NotionについてはCB&B Magazineのこちらの記事も是非お目通しください。