タップマルシェとその意図 3

Jan 25, 2017

引き続き、新しい動き「タップマルシェ」について考えます。前回までのものを前提に論を進めて参りますので、まだ読んでいらっしゃらない方は以下からどうぞ。

タップマルシェとその意図 1
タップマルシェとその意図 2

予想通り、2017年はクラフトビールの転換点になりそうです。先日出たこちらのプレスリリースをご覧になった方も多いのではないでしょうか。衝撃的な発表です。

「Tap Marché(タップ・マルシェ)」を地域限定で展開

前回、ポイントを以下のように抜き出しました。

  • 小型容器(ペットボトル、容量3L)
    専用ディスペンサーを開発
    2017年4月をめどに、1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の飲食店にて展開
    2017年に1,000店での取り扱いを目指す
    展開ブランドはスプリングバレーブルワリー・グランドキリン・ヤッホーブルーイング・ブルックリン・ブルワリー

今日は専用ディスペンサーについて。いわゆるサーバーのことです。実際に現物を見た方から話を伺ったところ、いわゆる瞬冷サーバーと違って冷却コイル等が無いそうです。ということは、ペットボトル自体を冷却もしくは保冷する機能が搭載されているということでしょう。ペットボトルもエンドユーザーに直接冷蔵配送される仕組みと聞いているので、今までとは全く違う仕組みです。

それにしても思い切ったことをしたものですね。すでにサーバーを貸与しているお店もたくさんあり、開発コストも導入コストも安くはないはずなのに敢えて専用サーバーを作ってしまったのですから。(注意 基本的にサーバーは無償貸与されているものであり、購入してはいないし購入することは極めて難しいです。)初期投資は大きなものになりますが、「このサーバーでしか出せないけれど、魅力的な商品を多数提供してクラフトビールカテゴリーにおいてダントツのシェアを最短距離で達成するプラットフォーム」に違いない。

サーバーもあることだし、あのパッケージでビールが販売できたらいいなぁなんて呑気なことを言う醸造所があったら困ります。タダ乗りなんて流石に虫が良すぎるでしょう。完全オリジナル仕様の排他的独占プラットフォームに自社が儲からないコンテンツを載せるわけがないのです。万が一可能であったとしても、何かしらの名目で費用がかかるでしょう。充填機材を新たに購入する必要もあるかもしれないし、配送のインフラ整備に多額のコストがかかるかもしれません。参入障壁は高い。

繰り返しになりますが、今までサーバーは所有権の譲渡は行われず、店舗への無償貸与というのが通例でした。今回も同様ではないかと想像します。今年度は1都3県で1000軒ですが、イケる!となればガツンと仕掛け、掘り起こしたら総取りし続ける囲い込みのスキームを発展させることでしょう。そして、サーバーを押さえられてしまっている以上入り込んでいく余地は全くと言って良いほど、無い。これはものすごいことです。

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