11月22日、文学フリマ東京にて新刊「アメリカのクラフトビールをダイバーシティと言う視点で読む」出します!
16日に開催されたフランス・ブルターニュ産ドラフトシードルの試飲会には多くの方にご来場頂きました。こんな時期にもかかわらず、本当にありがとうございます。心より御礼申し上げます。
思えば、今年は新型コロナウイルスの影響で予定していたビール祭りが全て中止となり、お客様に直接サーブする機会が殆どありませんでした。準備も含め、朝から晩まで立ちっぱなしでとても疲れたけれど、それ以上に喜びがありました。やはり私は現場が好きなのだと改めて思います。
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中止と言えば、コミックマーケットもそうです。春に開催予定だったコミックマーケット98にも当選していましたが中止となり、冬にスライドするかと思ったら状況としてそうもいかず・・・結局何もない一年となりました。書き進めていた原稿のやり場に困った私は一縷の望みをかけて文学フリマに応募しました。
文学フリマはプロ・アマもジャンルも問わず、小説も評論も研究書も詩歌もノンフィクションも集まるイベントで、同人誌もいわゆる商業誌もあり、個人・出版社はもちろん、文芸サークル、短歌会、句会なども出店しています。テキスト系のイベントですね。今回私たちはこちらに参加することになりました。頒布会も久しぶりなので本当に嬉しいです。今からワクワクしています。
前回発行した「文脈とビール」は評価サイトのスコアなどとは全く別の視点でビールについて考えたものです。ビールの飲用体験における自身の内的な変化に着目したり、位置付けるにあたって設定すべきモノサシについて考察したものです。これまでの経験を通じて印象的だったものを具体的に15点挙げ、それぞれについて綴っています。
どちらというと前作の「文脈とビール」は「ビールと自分」という内側にベクトルの向いた話が多かったのですが、今回の文学フリマで出す新刊はビールから外側にベクトルを向けたものです。自分だけではなく人の集合というか、ビールというテーマで繋がるコミュニティについて考えてみたのです。
クラフトビール発祥のアメリカという国ではクラフトビールを愛飲している人がたくさんいます。そして、その方たちとブルワリーやボトルショップ、パブなどが合わさって大きなコミュニティが形成されるわけですが、そのコミュニティにいる人たちは実際どういう人たちなのだろう?と疑問に思ったのです。コミュニティと言っても地域によっても違うだろうし、その内部はまた細分化していてマジョリティ・マイノリティがあるに違いない。そう仮説を立てたのがきっかけで色々と調べるようになりました。
そこで浮かび上がったのがDiversity(ダイバーシティ)というキーワードです。
アメリカでもビールにおけるタイプ、スタイルの多さを多様性とする考え方もあります。しかし、それはビールがビールという枠組みの中で細分化、複雑化している現象です。原料や製法、その他技術の進化によるビールという枠の内側におけるVariety(バラエティ)という視点は今後も重要であることは間違いありませんが、今アメリカのクラフトビールシーンが正に直面しているのはDiversity(ダイバーシティ)というコミュニティにおける多様性についてだと思われます。日本語ではVarietyもDiversityも共に「多様性」という言葉で訳されるからこそ分かりにくくなるけれども、ちゃんと切り分けてそれぞれに対してアプローチするのが大事なのではないかと考えるのです。
そんなことをつらつら綴っております。会場左奥の「ツー27」というお誕生日席でちょこんと座っていると思います。見本誌も設置しますのでまずはご笑覧頂ければ幸いです。現地で皆様にお目にかかるのを楽しみにしております。
「第三十一回文学フリマ東京」
開催日時 2020年11月22日(日) 12:00〜17:00
入場料 無料
会場 東京流通センター 第一展示場 東京モノレール「流通センター」駅 (MO-04) 徒歩1分
CRAFT DRINKSは会場左側の一番奥、「ツー27」です。
最後になりますが、今回お力添え頂いた皆様に深くお礼を申し上げます。ありがとうございました。