【本人解説】新刊「アメリカのクラフトビールをダイバーシティと言う視点で読む」のおすすめポイント

今度の日曜日、11月22日に東京で開催される文学フリマで「アメリカのクラフトビールをダイバーシティと言う視点で読む」という新刊をリリースします。ついさっき印刷所から出来上がった本が届いたのでやっとあらゆる心配から解放されました。あとは当日を迎えるだけです。いやぁ、ここまで本当に長かった。

さて、つけた本人が言うのもおかしな話なのですが、このタイトルじゃちょっと分かりにくいよなぁ・・・と昨晩ビール飲みながら思ったのです。そこで、本人解説と言いますか、こんな方に読んで頂けたら多少なりとも何かのお役に立てるのではないか、という筆者の淡い想いを少々綴らせてください。

①小説、シナリオなど創作をなさる方の資料として

クラフトビールって地ビールとはどこか違うイメージがありませんか?なんだか今っぽいし、ちょっとクールな語感があるような。たとえば、とある男がビールを飲みながら私に説教するシーンがあるとします。

男がお気に入りだと言うどこかの地ビールが大きめのグラスで2つ置かれた。彼はそれを一気に半分ほど流し込み、こう言った。「だから、お前はダメなんだよ」やれやれ、やっぱりか。私は置かれたビールを見つめ、「なんでこんなに濁っているんだろう」とぼんやり思った。あぁ、帰りはこんな気持なのかもしれない。

これを変えてみます。

男がお気に入りだと言うどこかのクラフトビールが大きめのグラスで2つ置かれた。彼はそれを一気に半分ほど流し込み、こう言った。「だから、お前はダメなんだよ」やれやれ、やっぱりか。私は置かれたビールを見つめ、「なんでこんなに濁っているんだろう」とぼんやり思った。あぁ、帰りはこんな気持なのかもしれない。

場所や時間、二人の関係性も一切明示されていませんが、頭に浮かぶ画が違うのではないでしょうか。上司のダメ出しなのか、親友からの忠告なのか。こんな気持とは何だろう。いやぁ、この後の展開が気になりますね(ならないかw 下手くそですみません、はい。

まぁ、何にせよ「地ビールを飲む人」や「クラフトビールを飲む人」というだけで何かしらのイメージがそれぞれ浮かんでくるわけです。今回の本はアメリカという国に限った話ではありますが、クラフトビールを飲む人というのは一体どういう人たちなのか?ということを客観的な数字や事実の積み重ねである程度表現できたように感じます。ある種文化的なアイコンと認識されているクラフトビールの現状を知って頂けるのではないかと思います。拙いものではありますが、カルチャースタディの一つとして捉えて頂ければ幸いです。

②アメリカのクラフトビールが好きな方に新たな視点を持って頂くきっかけになるかも

最近ものすごい種類のビールが日本に輸入されています。世界的にも極めて評価の高いものがたくさんあって、色々飲んでみるだけでも非常に楽しいです。確かに現在アメリカで評価されているものがどういうものかを知るのは意義深いものだと思いますが、その前提となる「その評価をしているアメリカ人って一体誰なの?」という話が日本では全然されていないのではないかとも感じます。クラフトビールカルチャーの発祥がアメリカなのは間違いありませんが、それを担うアメリカ人と言っても色んな人がいるわけで、一言では表しきれないのが当然だというのを改めて強調したいわけなのです。そのあたりの解像度をもうちょっとだけ高めてみませんか?というのが今回この本を通じてCRAFT DRINKSからご提案したいことの一つです。

③仕事でクラフトビールに携わっている方の「お客様の捉え方に関するヒント」として

先に謝っておかねばなりませんが、今回日本のことは一切書いておりません。私なりに日本の現状について確信の持てるロジック、ファクトはあるのですが、諸事情により盛り込めませんでした。私の筆力不足が全ての原因です。誠に申し訳ありません。次回作以降でこの点に触れたいと思いますので、何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。

とはいえ、今回アメリカのクラフトビールコミュニティについて僅かながら明示できた部分があると思います。そのことによって、「で、日本の場合はどうなんだい?」という新たな問いを立てる道筋がぼんやりと見えた気がしないでもないのです。比較対象を置くことでくっきりと浮かび上がる部分があるかもしれない、と私は考えています。この問いは事業者からすると、「クラフトビールシーンを支えてくれるファンの方とは誰なのか?」という全体俯瞰的なマクロ視点であり、それと同時に「うちのお客さんって誰なんだっけ?」という「今いるこの場所」に関するミクロ視点の話にも繋がっていくような気がしてなりません。きっと唯一無二の正解などどこにもないのだけれども、「クラフトビールコミュニティとは何か?」を考える一つのきっかけにして頂けたらこの上ない幸せです。

・・・などと書きましたが、やっぱりビールでも飲みながらぼんやり読んで頂くのが一番じゃないかと思います。ビールと人との関係についての本なので。

文学フリマの現場では見本誌も置きますので、お気軽に手にとってご覧ください。疑問、質問があればどんどんお声がけ頂ければと思います。東京流通センターの会場左奥、「ツー27」にてお待ちしております。