【雑記】ビールを飲むのが好き、ではなくて

電気も自動車も無かった時代、ビール作りは各家庭で行われていたそうです。自家消費用に作っていたものが次第に周りで評判となり、他所の人の分までビールを作るようになったのが商業ブルワリーの始まりだろうと想像します。家庭料理に始まり、レストランへと続くようなイメージでしょうか。専門性が上がるにつれ、社会は分業制になっていく。

「ビールが好き」という人の多くは「ビールを飲むのが好き」で、そこから次第にビール自体に興味が湧いて来るのだと思います。それは私自身もそうなのですが、自家醸造が合法の国にはビールを作るという行為自体が好きで好きでたまらない人達がいる。かつて訪れたベルギーやアメリカでプロ・アマ問わずそういう人たちに出逢うと、嬉しそうにたくさんビール作りについて語ってくれました。「あぁ、本当に心の底から好きなことをしているのだなぁ」と感じます。

日本は法律上酒造免許を取得しないと醸造することは違法となります。どこかビール会社に務めていない限り、プロデビュー前にビールを作ることは許されない。外部の人間にはなかなか知ることの出来ないクローズドの世界なわけです。そもそもビールを作るという行為が一体どういう作業なのか軽い気持ちで試してみる機会が一般的にないのだから、その行為自体が好きで好きでたまらない「ビール作りオタク」がそう簡単に生まれることはないだろうと思うのですが、、、

現在日本では新規ブルワリーの開業ラッシュです。様々な想いを胸に皆さん開業なさると思うのですが、ビールを飲むことではなくて、ビール作りが好き過ぎて開業しちゃう筋金入りのビール作りオタクの方のブルワリーには直接行ってみたいなぁ。

今春開業予定のマット師匠のブルワリー、Mellow Mink BrewingのSNSを読んで、ふとこんなことを思ったのでした。

 

ちなみに、マット師匠についてはこちらを御覧ください。