【プロ向け】キーケグ充填大解説 2019/5/9追記あり

先日、【速報】シードルオンタッププロジェクト、シードルのキーケグ充填完了でご報告した通り、長野県のまし野ワイン様にてシードルをキーケグに詰めました。この時に撮影した写真や動画をもとに、充填方法についてご紹介致します。今回はプロ向けの専門的な内容になるので特殊な用語が多くなりますがご容赦くださいませ。

まず、前提としてキーケグの構造を押さえておきましょう。詳しくは以前書いたので、【プロ向け】キーケグ大解説をご覧ください。

今回シードルオンタッププロジェクトではシードルをケグ内二次発酵をさせます。充填前のベースとなるシードルはオープンファーメンター(開放型発酵槽)にて発酵させ、フラットな状態です。

Cider in open fernenter. #cider #open #fermenter

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この時比重はすでに1.000を下回っており、完全に一次発酵で糖を食い切っている状態です。清澄したものに二次発酵用の酵母と糖を添加します。ケグ内で発生するガスボリュームに直結するので、添加する糖の量は計算して投入します。また、液量から必要な酵母を計算し、事前に酵母を立てておいて下さい。

酵母を入れる作業の風景です。糖と酵母を投入後、撹拌します。

Pitch the yeast into cider. #pitch #yeast #cider

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After pitching sugar and new yeast, stir the cider. #stir #cider #sugar #yeast #pitch

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完全に混ざりきったら汲み上げ用ポンプに繋がるホースを投入し、ポンプのアウト側ホースを充填用カプラーに接続します。
カプラー横のガス側にマノメーター(ガス圧計測器)を、上部の液体側にはボールバルブとテイルピース(通称タケノコ)を取り付けます。タケノコに合わせて内径10mmのホースが付属していますが、非常に固いビニール素材でお湯で緩めないと入りません。乾いて固くなると恐らく抜けないので、今回は内径12mmのものを使用しました。これだと入れるのも外すのも非常に楽で取り回しが良かったです。もちろん、クランプでしっかり留めることはお忘れなく。

After stiring, put the tube into vassel in order to draw cider. #stir #vassel #cider #draw

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Filling head for keykeg. Clumps and tube. #keykeg #tube #clump

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Pump. Right tube is draw and left is fill. #tube #pump #draw #fill

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ここまでが充填前の準備です。

さて、キーケグのyoutube公式アカウントに充填方法を解説している動画があります。こちらを御覧ください。動画の時間と作業に合わせて解説して参ります。
※注意※2019年5月9日、以前無かった数値などが示されている新しいバージョンの動画に差し替えました。

0:09〜 step1 充填準備
消毒用アルコールを準備しておいて下さい。ペンチでダストキャップを取り外します。抽出用カプラーを使用してキーケグ内の内袋にごくわずか存在する空気を抜きます。この時、カプラーが斜めになっているとうまくはまりません。無理に回すと容器を傷めて使えなくなってしまうので注意しましょう。
台を用意して、キーケグを逆さまに置いておきます。

Gas emission before filling. #gas #emission #filling #keykeg

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Preparing empty #keykeg to fill cider. #lightweightcontainers #cider #fill

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0:40〜step2 フィリングヘッドをビールホースに接続する
動画での解説の通りですが、0:45のように左から「タンク→移送用ホース→ポンプ→移送用ホース→充填カプラー→キーケグ」となるようにセットして充填を行います。この時、ポンプから充填カプラーをつなぐ移送用ホースはカプラー側のタケノコの径に合わせて内径12mmのものをお使いください。
続いて、接触する部分を全てアルコールで消毒し、先程ポンプに接続したホースからシードルを汲み上げます。カプラーのボールバルブを少し開いて液体をカプラーまで完璧に引き上げておきます。この時引き上げが中途半端だと空気が充填されてしますので注意して下さい。新しい動画では1:12〜ポンプのパワーについて説明されていて、「1.7〜2.0bar」という数値が出るようになりました。重要な数字なので押さえておいてください。

1:37〜step3 キーケグに充填する
この時キーケグの中にはガスが充満している状態で、外から何かを入れようとしても圧力が高すぎて入りません。故に、充填できる圧力まで下げる為にガス抜きの弁を少しずつ開きます。カーボネーションしている液体を充填する時にはこの時の内部の圧力と液体自体のガスを平衡させねばなりません。圧力ゲージ位置が常にビールタンクの送り出し圧力よりも高くなるように充填すればキーケグ内で泡立つことはありませんのでご安心下さい。準備として事前に液体にかかっている圧力を計測しておくことは非常に大事ですね。今回はスティル(無発泡)のものを詰めましたが、中の圧力がゼロだと詰める勢いが強すぎては容器を傷めてしまう可能性があります。送り出しの力と平衡させるほうが安心です。
キーケグを逆さまにした状態のまま、フィリングヘッドを接続します。上向きのまま充填すると充填の勢いで内部の袋のつなぎ目が破け、液漏れする可能性があります。必ず逆さまの状態で接続しましょう。新しい動画で充填時間の目安として「30L1本で2分程度」と示されています。ガスの抜き具合で充填スピードをコントロールしましょう。ポンプのパワーとの兼ね合いもあるのですが、今までの経験からすると10Lは1分弱、20Lは1分半くらいで詰めるようにするとうまくいくと思います。ガス圧計がゼロになってから5秒待ち、バルブを止めてレバーを完全に上げれば充填完了です。動画の右上のイラストを見てください。ぴっちり充填できるとメキメキっと音がして内部の袋のシワとシワの隙間が無くなります。失敗すると中に空間が残ります。
外したカプラーにはトップまで液体が来ていて空気が入る空間がないようになっています。次の充填にそのまま使えますのでひっくり返さずにキープしましょう。そうでないともう一度step2の作業をしなくてはなりませんのでご注意ください。

Filling cider into keykeg. #filling #keykeg #cider

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2:19〜step4 出荷準備
接続部がお酒で濡れているので洗ってアルコール消毒をします。そして、スナップキャップをはめます。
新しい動画ではこの後の作業が追加されています。”the volume can be verified by weighing”とあるように、仕上がったお酒の比重によって容量は同じでも重さは変わります。充填が終わったらケグの重さを測りましょう。計測したFGから満了充填した際の重量が計算できますので、そちらに10Lの場合は900g、20Lの場合は1.1kgを加えて理想的な重量と合っているか確認します。

Done!! #keykeg #cap

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