クラフトビールの伸びに陰り??

Nov 14, 2016

Beverage dailyの興味深い記事を一つご紹介したいと思います。タイトルは”AB InBev notes craft beer slowdown“です。「インベヴ曰く、クラフトビールはスローダウンしている」とでも訳せばよいでしょうか。

内容として押さえておきたいポイントは大きく3つです。以下に挙げておきましょう。

  • ①2016年第三四半期において、クラフトビールの出荷販売量は2.6%ダウン。
    ②上記結果を受けて、インベヴ社長・ブリトー氏曰く「インベヴのクラフトビールは調子が良いが、消費者の倦怠感や疲れのようなものが見える。」
    ③消費者は選択肢の多さに疲れ、幾つかの醸造所に絞り始めている。

実はものすごいことをさらっと言っています。そして、私たちの認識がすでに少しずつ変わってきていることも突きつけられているのです。この指摘は非常に大事ではないでしょうか。

ブリトー氏は世界最大のビール会社の社長ですから、超ローカルなマイクロマーケットは見ていないと考えるべきでしょう。マスマーケットを前提にして良いと思われます。その前提で話を進めます。

ブリトー氏の言う「消費者の疲れ」とは「選択肢の多さによるもの」です。クラフトビールは多様性があって素晴らしいとよく言われてきましたが、多様性があり過ぎて今度は分かりにくくなってきてしまったのです。5種類だけあった時期よりも100種類に増えて最近品揃えが良くなったと思っていたら、ふと残りの95個が何なのかよく分からないことに気づく。で、「何だかよく分からないものにお金を使うよりは以前から知っていて安心感のあるものに手が伸びやすい」という状況になりつつある、ということが言いたいのだと思います。逆に言えば、人間は自分が関心持って注意を払ったものしか見ていないくて、他のものは目に入っていない。既に安定した環境であるのに新しい情報を入れてそれを乱すことは普通しないのです。

大きな醸造所ほど定番品を大量に製造し、限定品は少ない。そして、基幹商品や企業それ自体の広告をよく打っています。それは「顧客との接触を増やし、高まった好印象が購買活動につながる」と考えているからでしょう。その意味ではマスビールマーケットにおいては消費者がお店に行く前に勝負がついているのかもしれません。一定以上の大きさになって販売チャンネルがスーパーやコンビニなどの「接客なし」の場を主流にすると「イメージ戦略」が重要になってくるわけです。

ここまでは大手の話ですが、大手と小規模を比較した場合、小規模の採るべき戦略はまた違うでしょう。私どもも含め、小規模、クラフト側が打ち出すべきは「品質」と「ストーリー」、そして「強度」なのだと思っています。マス寄りの市場を見るとスローダウンしているのかもしれませんが、そもそもそこでは勝負していないのですから全く問題ない気がします。とはいえ、日本においては別の点が心配ですが・・・そちらについてはまた別途書きたいと思います。

クラフトビールをマクロで捉え、伸びている部分や鈍化している部分について以前少し書きました。伸びているのは何か?①伸びているのは何か?②あたりを是非御覧ください。

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