成功しているビアバーがやっている5つのこと⑤提供温度

Jul 13, 2016

成功しているビアバーがやっている5つのことと題して、アメリカの事例を元に以下の5点について考えていきます。一番最初に書いた通り、これはアメリカの話なので完全に日本と同じというわけでもないかもしれませんが、参考になると思います。良い部分は取り入れて、日本アレンジを加えれば良いでしょう。

第五回目の今日は4. Serving Temperature(提供温度)について。craftbeer.comの記事の該当部分をまず見ていきます。

4. Serving Temperature(提供温度)
Many craft beers are meant to be served at warmer temperatures than their mainstream cousins, so freezing glassware or storing packaged beer at freezing temperatures is highly discouraged. The cold can diminish one’s ability to properly taste the beer.
多くのクラフトビールは大手のものよりも高めの温度で提供されることを意図されています。故に、凍らせたグラスやキンキンになるほど低い温度で保管されたビールはひどくガッカリさせられます。冷たさは人の感覚を鈍らせ、適切な味わいを感じにくくするのです。

Learn more on this topic in “Frosted Glassware Is Not Cool: Temperature Tips for Craft Beer Retailers.
この点についてはこちらを参照してください。

今回の記述も非常に短いです。やはり「詳しくは“Frosted Glassware Is Not Cool: Temperature Tips for Craft Beer Retailers.”を見て下さい」となっています。リンク先を見てみると、お客様に提供する温度のことだけではなく、もう少し広い温度管理の話であることが分かります。そちらに分かりやすくまとまっている図表がありますので、是非見て下さい。

この部分と参照先で言われていることを言い換えると、「美味しくビールを楽しめるよう温度のことを気にしましょう」ということです。私個人の意見はここで挙げられているよりも細かくて多いですが、この4点は一致します。絶対にはずしてはならない部分でしょう。

①Beer Storage Temperature(保管温度)
②Beer Carbonation(ケグ詰めビールのカーボネーション)
③Beer Glass Temperature(グラスの温度)
④Beer Serving Temperature(ビール自体の温度)

全部細かく見ていくのは紙面の都合で難しいので、付記されているそれぞれ「すべきこと」と「すべきでないこと」を拾っていきます。

①Beer Storage Temperature(保管温度)
べき:ビールを新鮮で風味豊かな状態に保つよう、瓶もケグも保管は冷蔵庫で行う。
べきでない:保管時は冷やさず、提供時にとりあえず冷やす。

②Beer Carbonation(ケグ詰めビールのカーボネーション)
べき:ケグを繋いで開栓したらビールは冷たい状態を保持すること。カーボネーションも落ち着きます。
べきでない:高めの温度に合わせたセッティングを除き、ビールの温度が3.3℃を超える状態。

③Beer Glass Temperature(グラスの温度)
べき:グラスは室温、もしくはそれよりも少し冷やし気味が良い。
べきでない:冷蔵庫で凍らしたグラスをクラフトビールに使う。

④Beer Serving Temperature(ビール自体の温度)
べき:頭を柔らかくし、3.3℃にはこだわらないこと。色々と実験してみてビールに合った最高の提供温度を考えましょう。
べきでない:度数が高いから温度は高めで、というように考える。

大事なことだらけですね。・・・あぁ、すみません、筆力が無さ過ぎて全然ダメです、書きたいことが山程あるのに。この話は深掘りするとキリがない。困った・・・近々に個別に詳しく書こうと思うのでお許しを。

とりあえず、一点だけちゃんと書いておきたいと思います。上記にある通り、「冷蔵庫で凍らしたグラスをクラフトビールに使う」のはダメです。もう少し正確に言うと、クラフトビールだからではなく、ビールを味わうのに冷蔵庫で凍らしたグラスは向かない。「ビールをちゃんとしっかり味わう」という観点から考えると、そう断言します。その理由は同じページにあるDraught Beer Quality Manualからの引用の通りだと私も考えています。

Frozen glasses result in ice crystals that cause foaming problems during filling. If you chill your beer glasses, be sure to avoid frosting. And beer served at near-frozen temperatures blinds the taste experience (taste buds are “numbed,” resulting in a bland taste experience) in comparison with beer served at recommended temperatures.
凍らせたグラスには氷のつぶつぶが出来ますが、そのせいで注いでいる最中に問題となる泡が出来てしまいます。グラスを冷やすなら凍らせないようにしましょう。0℃に近い液温で供されるビールは理想的な温度で供されるものと比べて、味わいを損ねます。味蕾が鈍ってフラットに感じられるからです。

「ビールは喉越し」にように語られることもありますし、喉越しという「触覚」を否定するつもりは全くありません。しかし、「味覚」や「嗅覚」という点から考えると凍ったグラスや極めて低い液温、不必要な泡は不適切だと考えているということです。

数字も出てきましたし、方法も書いてありますので、是非お店の環境、状況に合わせて色々と試してみてください。感覚を言語化し記述していく中でまず間違いがないだろうと広く認識される「公式」や「定式」が生まれるのだと思います。であれば、「××××をすればOK」という公式を追体験し、自分の感覚においても正しいか再確認することが意味を強くするとも思うのです。プロの仕事にはすべてに意味があり、意味のないものは必要ない。私は師匠にそう教わりました。

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