インベヴ、ビッラデルボルゴの実質買収を発表

またしても・・・インベヴはものすごい勢いでシェアを押さえにかかっています。なんと、インベヴはイタリアの有名クラフトビールメーカー”Birra del Borgo”(ビッラデルボルゴ)との提携を発表しました。詳しい内容はまだ分かりませんが・・・。ソースとしては以下のBeerAdvocateの記事を参照してください。

Anheuser-Busch InBev to acquire Italy’s Birra del Borgo

大事な冒頭部分を引用しておきます。邦訳も付記しておきます。

Birra del Borgo is happy to announce that it has decided to partner with Anheuser-Busch InBev (AB InBev). The partnership will give Birra del Borgo, one of the leading craft brewers in Italy, a unique opportunity to make the necessary investments for expansion while continuing to independently manage its business and define how to grow.
インベヴ社のパートナーになると決めたことを発表でき、ビッラデルボルゴは嬉しく思います。独立運営と成長の決定権は保持しつつ、パートナーシップによってイタリアクラフトビールのリーディングカンパニーであるビッラデルボルゴは拡大の為に必要な投資を行うチャンスを得ました。

AB InBev will provide the support to allow Birra de Borgo to expand its brewery know how and infrastructure, continue to innovate and bring new great beers on the market through its distribution system. Founder Leonardo Di Vincenzo will continue to lead Birra Del Borgo as CEO of the company.
インベヴはビッラデルボルゴの拡大、ノウハウやインフラ、革新を助け、流通システムを通じてマーケットに新たなビールを出していけるようにサポートしていきます。創業者であるレオナルド氏はビッラデルボルゴのCEOを続けます。

ビッラデルボルゴは現在注目されるイタリアンクラフトビールを代表する作り手です。2015年の段階で年間生産量14000HL(140万L)まで大きくなっていて、欧州域内のみならず日本、中国などにも輸出を伸ばしています。確かに販売を伸ばすためには設備投資だけでなく、インフラ・流通が非常に大事になってきます。それは間違いないです。なので、インベヴは「サポートします、提携します」と言うのですが、それは流石に額面通りには受け止められません。社長は続投しつつも子会社が増えたと見るのが正しいでしょう。他のソースでもacquireという言葉を使って明らかに「買収」と表現しているものがあります。実質的には買収と見て良いはずです。色々と各方面で揉めているインベヴですから、meantimeの例のようなことが無いといいのですが・・・

個人的に驚いたのは、成長が見込めるとはいえ、まだたかだか14000HLの醸造所を買収したということです。世界的に見て14000HLは全然大きなサイズではない。もう一桁大きいところも幾らでもあるわけです。しかし、拡大傾向のイタリアンクラフトビール市場を今後押さえるにはビッラデルボルゴ、だったのでしょうね。新興市場において芽が出そうな中規模醸造所を早めに押さえる作戦なのではないかと思ったりします。

インベヴの一連の流れを見ると、クラフトビールとは何なのか?と考えざるを得ません。単にCRAFTY(クラフティ)だとかそうでないとか、そういう次元でも無くなってきたように思われます。何だか、こう、複雑な気持ちです。