“craft beer”と”クラフトビール” 国産3000klと通信販売

以前の投稿「日本においては”3000kl以下をクラフトビール”と定義してはどうでしょう?」と提案しました。(その根拠について詳しくは当該の投稿をご覧ください。)法律の定めるところにより、3000klを境に「通信販売酒類小売業免許」の業者は通信販売での取り扱いが出来なくなります。それに対し、「一般酒類小売業免許」は店頭小売の免許で、全ての酒類を扱えますが通販は出来ません。3000klを超えるメーカーのものを通信販売するのは矛盾しているような・・・
とはいえ、世の中には生産量が3000klを超える大手ビールが通信販売されています。例えば、amazonもそうです。これはどういうことか?

1989年に「通信販売酒類小売業免許」が誕生するまで酒販に関する免許は上記2種類に分かれていませんでした。つまり、「3000klを超えるメーカーのものを通信販売出来る免許」が存在していたのです。(現在は要件が変わってしまったので不可能です。)その効力は失われていないので、1989年以前に免許を取得した業者は今でもそれが出来るというわけです。amazonが販売出来るのはそのような会社を買収してその名義を使用しているから、ということになります。販売を開始した当初は「裏技」とか「ゾンビ免許」などと言われました。参考 日経ビジネス 2014年6月9日の記事「アマゾンが獲得した“ゾンビ免許”」

1989年以降に新しく免許を取得したところは大手ビールを通信販売出来ません。扱っているもので免許のことが分かるのは面白いですね。時代の要請によって、免許も色々と変わっています。