【新入荷】新しくイギリス・リトルポモーナのドラフトサイダーが輸入されました

イギリス・リトルポモーナからドラフトサイダーが新たに輸入されました!今回も素敵なサイダーが入ってきたので是非お試しください。

サイダーの説明の前にリトルポモーナのことを改めてご紹介しておきたいと思います。

ワインジャーナリストや雑誌編集、品評会審査員でも有名なスザンナ・フォーブス女史と飲料業界にいた夫のジェームス・フォーブス氏が20年以上に渡る業界経験を活かして何か新しいものを造ろうとリサーチを開始。2014年、イギリス・ヘレフォード州の北マルバーン・ヒルの麓にあるソーンベリーの地に2haのリンゴ畑を譲り受け、小さなサイダーファームを設立しました。2015年にファーストヴィンテージをリリースし、そのクオリティの高さからサイダー業界の注目を一気に集めました。リトルポモーナは設立からずっとサイダー復活の最前線に立っています。

リトルポモーナでは基本的に人の手が介入する部分以外は自然なアプローチでサイダー造りを行っています。りんごを手摘みし、手で選果後、酸・糖度・タンニンのバランスが取れるまで木枠に入れます。その後タイミングを計り、洗浄してミルにかけて搾汁。天然酵母で発酵させ、リリースするまでゆっくりと熟成させる手法を採っています。言うまでもなく、加水も補糖もせず、パストリゼーション、フィルタリング、人工的な炭酸ガス注入も行いません。
輸入元は東京都台東区に実店舗を構え、イギリスのサイダーの輸入・販売を手掛けるワイン・スタイルズさんです。今月渡英し、実際にリトルポモーナを訪問した際オーナーのジェームスさんとお話をしました。その時指摘していたのは・・・
サイダー業界は新しいフェーズに入ったと思う。ワインと違いサイダーはもっと自由なので、遊び心とチャレンジを忘れずに攻めていき更なる可能性を見出すことでワインやクラフトビール愛飲家をも取り込んでいきたい。
元来辛口だけ造り食事に合わせて楽しむと考えていたが、あまりにサイダリー訪問客の皆が甘口を求めるのでKeeved Cider造り始めました。

※Keevd ciderとは天然の甘味を持ったサイダー。その手法ををKeeveingと呼びます。醸造用リンゴだけを使用し、砂糖や水などは一切使用しません。この工程により酵母が果汁を完全に発酵するのを防ぎ、天然のフルーティーな甘さがある程度残ります。テクニカルな詳細はこちらをご覧ください。

リトルポモーナではりんごの品種別にキーヴィングしていて、後でブレンドして来年以降リリースとのこと。採用している手法はもちろんですが、温故知新とパイオニア精神が合わさり、リトルポモーナ自身がクロスオーバーな存在になりつつあるように感じます。

その他には、

2022年ヴィンテージはとにかく暑い夏だったので、酸と糖度のバランスを心配していたけれど、思いのほか出来上がりはボリューム感満載のヘレフォードスタイルを維持していて、タンニンの感じが凄く気にいってる

・・・と何度も話していたそうです。今回輸入されたものも楽しみです。

それでは今回リリースされるサイダーの詳細をご紹介致します。

Hard Rain Hot Pink
前回のドライホップドサイダーに続いて、今回はその別バージョンです。歴史を遡ると1621年ピルグリム達のサンクス・ギビングのディナーのメニューに記録もあるサイダーキンはポマース(リンゴの搾りかす)に加水して2番絞りで造られるウオーター・サイダーとも呼ばれる低アルコールのサイダーのこと。醸造家ジェームスが現代的解釈にて造ったのがこのハード・レイン・ホップド・サイダー。ブラウン・スナウトとエグルモン・ルセットのポマースに加水し、1日マセレーションした後プレスし、タンクにて発酵後、シムコーでのドライホップと近所のピクスリーのブラックカラントのコーディアルをブレンドしてから熟成。ピンク・グレープフルーツやもぎたてチェリーのようなフレッシュなアロマにあふれ、ホップの爽やかさも感じられる辛口スパークリング・サイダー。サイダーロジストのゲイブ・クック氏にチャンネル4のサンデーブランチにて紹介された評判のサイダーキンです。ABV3.5%のドライで軽やかな仕上がり。
※Ciderkin(サイダーキン)とは搾ったばかりのリンゴの搾りかすを湧き水で戻し、24時間浸漬した後、再び搾って作る古風な手法のサイダー。その昔、サイダーキンは農業従事者が畑で飲んでいました。私たちも果樹園での作業中によく飲みます。アルコール度数が低く、風味豊かなサイダーキンは喉の渇きを癒す爽やかさと飲みやすさを兼ね備えており、想像を超える最高のリフレッシュドリンクです。

Harvest 2022
このハーヴェストは、非常に暑かった2022年のヴィンテージの特徴をしっかり見せて味わってもらおうというコンセプトで造られました。完熟りんご5種、ダビネット、エリス・ビター、ヤーリントン・ミル、ミッチェリンと少量フォックスウェルプを使用。ダビネットとヤーリントン・ミルの半分は元ブルゴーニュ白ワイン樽にて6か月熟成、完熟黄桃の果実味にバニラのニュアンスが香り、アフターにしっかりとしたタンニンが広がる、ヘレフォードらしいフルボディを満喫できる辛口スパークリング・サイダー。ポークパイやソーセージロールと好相性。 ABV7%でしっかりした飲みごたえ。

CRAFT DRINKSは現在ビールを中心に活動しておりますが、「クラフトビールはクロスオーバーだ!」とずっと言い続けています。他のジャンルから新たな発見をしてビールにフィードバック出来たりもします。もちろんその逆もあるわけで、その境目が分からなくなるほど面白いと思います。その意味でもドライホップドサイダーはサイダーファンのみならず、クラフトビールファンの方々にも是非お試し頂きたいお酒です。また、バレルエイジビールが浸透してきた今、樽の風味を感じるサイダーに共通点と差異を感じるとビールがまた面白くなると思います。

こちらのドラフトシードルにご興味のある飲食店の方は会員登録の上CRAFT DRINKS SHOPにて詳細をご確認くださいませ。