ビール祭りのやり方を考えないといけないのかも

過去最速で梅雨が明け、暑い日が続いていますね。全国的に毎日真夏日を記録し、すでに夏ど真ん中といった感じになっています。あまりの暑さに食欲も出てきませんよね。夏本番を前にこんなにそうめんを食べたのは生まれて初めてかもしれません。テレビ、新聞など各種媒体では節電が叫ばれているものの、エアコンを使わずに暮らすのはいくらなんでも無理なので出来るだけ温度は高めにして対応していますが果たしてどれだけ効果があるのやら・・・

先日所用で快晴の真っ昼間に出かけたのですが、数分歩いただけで滝のように汗が吹き出してきました。アスファルトの照り返しもすごくて、実際の気温以上の暑さを感じます。持っていたペットボトルのお茶は目的地に着く前に空になってしまうほどでした。ハンカチで額の汗を拭きながら思うわけです。日本はすでに亜熱帯のような気候になってしまったという事実を受け止め、少しずつこの暑さに体を慣らしていかねばならないのでしょう。停電になっても困るし、自分の体は自分で守らねばということで涼感スプレーと共に首に巻いて冷やす暑さ対策グッズを買いました。こういうものを上手に使ってこの夏をなんとか乗り切りたいと思います。

それにしても気温が30℃を超えると流石に体に堪えます。12時から15時、いや、11時から16時くらいまでは野外で活動するのはもはや安全とは言えないほどの天気の日が多くなってきました。たとえば屋外野球場で行われるデーゲームは選手はもちろんスタンドの観客席も相当過酷な環境でしょう。熱中症待ったなしと言っても過言ではない。観戦しながらの冷えたビールは美味しいのだけれど、お酒は脱水症状を引き起こすので過度の飲酒は危険です。しっかりお水も飲みつつ塩分補給もして観戦を楽しんでください。

夏のイベントと言えばビール祭りもあるわけで、新型コロナウイルスの蔓延も多少収まってきましたから今年は全国でたくさん開催されるでしょう。もうすでに様々なところで行われていますが、昨今の暑さ、そしてこれから迎える真夏の日々を思うとビール祭りはそれなりの対策を講じて行う方が良いのかもしれないと思い始めました。

ビール祭りはその名の通りビールの祭典ですからビールを飲んで楽しむことが中心です。しかし、上述の通り、お酒は脱水症状を引き起こします。暑い時間に野外で乾杯するのはそれなりのリスクがあるように思うわけです。コロナ禍で2年間ビール祭りが開催されませんでしたから久しぶりのお祭りに気持ちが高揚してジャンジャン飲んでしまうかもしれない。けれども、熱中症に加えて脱水症状になったら目も当てられません。もちろんそれは個人の責任なのですが、人はビールを飲めば程度の差こそあれ必ず酔っ払いますからね。その辺りを多少なりとも考慮しても良いのではないかと思った次第です。

ビール祭りは平日は夕方から始まることが多いのであまり問題にはならないと思いますが、土日は午前11時開始のことが多く、そのまま夜まで休みなく継続します。会場は屋根のない野外であることも多いので昼間は結構きつい環境であることもしばしばです。飲み手にとって最高の環境とは言い難い。また、影になるテントの下にいるものの、出店側もあの暑さの中ずっと過ごすのは大分しんどい。コロナ禍でのマイナスを取り戻すべくじゃんじゃん注ぎたい気持ちも理解する一方、無茶をして倒れたら意味がないとも思うわけです。

そんなことをぼんやり考えていたのですが、すでに環境省が熱中症予防情報サイトを開設していて、夏季イベントにおける熱中症対策を発表していました。そこでは医療体制、危機管理体制を整えることの重要性が指摘されています。国税庁や厚生労働省からの指導もあって「お酒は20歳になってから」とか「お酒はたのしくほどほどに」のような標語に象徴される日々の飲酒と健康に関する情報はすでに広く知られているところですが、昨今の気候を思えば飲酒と健康という文脈で夏のビール祭りにもこういう視点を積極的に取り入れていくべき時代になったのかもしれません。飲める時間は少なくなるのだけれども、真夏にビール祭りをやるなら涼しくなってきた夕方から始める方が誰にとっても良いんじゃないかなぁと思いました。とにもかくにも心も体も健やかな状態で飲みたいのです。

その代わりに真夏を上手に避けてビール祭りを一年中やれば良いのではないでしょうか。「ビールの美味しい季節になりました」という決り文句を最近よく見かけるようになりましたが、そういう通念、つまり「ビールは夏の飲み物である」という認識が世間にはあるようです。しかし、皆さん御存知の通り決してそうではありません。季節ごとに美味しく楽しめるビールがあることを周知していくことは重要です。春には春の、秋には秋の、冬には冬のビールとその楽しみ方があって、業界全体が一致団結してこういうステレオタイプなイメージを刷新すべく活動していくべきではないでしょうか。