冷夏のクラフトビール消費はどうなのか?

冷夏です。とにもかくにも涼しい。いや、寒いと言った方が適切だろう。7月も半ばだと言うのに蝉の声をまだ聞かないし、朝方などは半袖でいると風邪をひいてしまいそうなほど。屋外プールなんて行く気にもなれない天気が続いているのです。

「ビールの美味しい季節がやってきました」などという枕詞で始まる雑誌やwebの記事があるけれども、ここ最近の天候を思うと何だかなぁと思ってしまいます。こんな天気じゃ冷やし中華も食べたくならない。そう言えば、今年まだガリガリ君食べてないなぁ。

ふと思うのです。そもそも夏ってビールの美味しい季節なのだろうか?ビールがピルスナーだけを指すのであれば概ね賛成で出来るし、デパートの屋上ビアガーデンのような雰囲気や空気感も想像できます。しかし、現代においては一年中ビールは醸造されていてピルスナー以外のスタイルもたくさん出回っています。季節とビールを紐付けるならそろそろもうちょっと精度を高めないと伝わらないのではないかと思ってしまうのです。

どんな季節であってもその季節に合わせて美味しいビールがあります。真冬にバーレーワインをちびちびやるのも乙なものですし、秋口にフェストラガーを飲むのも宜しい。夏なら夏でそれに相応しいものがあるでしょう。汗をかいて喉が渇いた状態の一杯目は何にも代え難い快感があります。そういう経験は誰にでもあると思います。その時ピルスナーではなくて、たとえばベルジャンウィットやアメリカンゴールデンエールあたりでも良いと思うのです。個人的にはランビック、特にグーズタイプが最強ではないかと思っていますが、「夏=ビール」という公式が仮に正しいとしてもその解像度をもうちょっと上げるなり、専門性を高めてあげた方が21世紀的なのではなかろうか。

第一生命研究所が冷夏が日本経済に及ぼす影響と題してレポートを出していますが、冷夏の影響を受けるものとしてビールも挙げられています。これはマクロ経済分析レポート、つまり家計ではなく経済を国家規模で大きく捉えた場合の視点で消費の落ち込みを指摘しているので、このレポートで言うところのビールは恐らく「大手商品≒ピルスナーおよびそれに準じるもの」とざっくり考えて良いと思います。まぁ、純粋に寒いのでそんなに飲まないのかもしれない。昔居酒屋の壁に貼ってあったビーチで水着のお姉さんがジョッキを持っているポスターを想起するような示す状況ではないのは確かです。こういう天候ですから過去の実績と照らし合わせて大手ビールの消費が落ち込むのは確実なのかもしれませんが、実際のところ輸入ビールや中小のブルワリーの非ピルスナーも減ってしまうだろうか?という考えてしまうのです。

国税庁が毎年発表している酒のしおりなどのデータを見ても非大手の状況はざっと示してあるだけで具体的なことは何も分かりません。データも吸い上げていないのでしょうし、分類が緩すぎてCRAFT DRINKSが望んでいるような解像度ではないのです。夏に売れているピルスナー以外のビールが何なのか?冷夏のクラフトビール消費はどうなっているのか?今、これを知りたくて堪らない。

とりあえず昨晩飲んだCuvee de rankeは抜群に美味しかったです、雨も降っていて寒かったけれど。

 

この投稿をInstagramで見る

 

Tasty!! #cuveederanke #belgianbeer #brouwerijderanke #lambic

CRAFT DRINKSさん(@craft_drinks)がシェアした投稿 –