CRAFT DRINKS的 “Beer of the year” 2018 ①IPA編

Dec 26, 2018

今年も国産・外国産を問わずたくさんのIPAを飲みました。自分が飲んだIPAの中で一番印象に残っているのは何だろう?と振り返ってみると、やはりこれが強烈なインパクトだったと思います。

Hudson Valley Brewery Incandenza Galaxy

 
 
 
 
 
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Hudson valley incandenza galaxy. Too tasty to stop drinking. Super nice sour hazy ipa. #hudsonvalleybrewery #incandenza #galaxy #souripa

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まずはHudson Valley Brewery(ハドソンバレーブルワリー)について。公式HPはこちらです。

https://hudsonvalleybrewery.com/

ニューヨークからハドソン川を北上すること約100kmのところにあります。タップルームもあるので一度は行ってみたいです。創業してまだ数年ですが、熱狂的なファンの多い注目のブルワリーの一つ。缶ビールの発売日には醸造所に大行列が出来るほどの人気だそうです。まだまだ調査しきれていないのですが、draft magazineなどでも特集記事が出ているので是非読んでみてください。

次にビールについて。こちらのIncandenza Galaxyはたまたま縁あって知人から頂いたのですが、衝撃的な旨さでした。

このビールはIPAですが、詳しく言うと”sour IPA”(サワーIPA)と呼ばれるものです。サワーIPAと一口に言っても色々あって、ちょっとややこしい。たとえば、アメリカ・オレゴン州のpFriem Family Brewers(フリームファミリーブルワーズ)でもサワーIPAを作っていますが、作り方はこうしています。

pFriem Sour IPA is kettle-soured for 20 hours and set to ferment, before getting two heavy doses of fresh, dry hops. We could tell you the result was a hoppy and refreshing beer with multiple layers of citrusy fruits, light acid and little to no bitterness, but why not taste it for yourself?

ケトルサワリングして麦汁に酸味を持たせてから発酵させ、ドライホッピングして仕上げます。渡米した際に飲みましたが、酸っぱくてホッピー。飲み心地もとても良い。一度でファンになった思い出のビールです。こちらは濁ってはおらず、透明感があります。

一方、Draft Magazineの記事によると、ハドソンバレーではこうしているそうです。ケトルサワーではないのですね。

The brewers also have a line of sour IPAs, which explore the intersection of hops and kettle soured beers. Incandenza, for example, is a sour IPA with a portion of wheat in its grain bill, hopped with Citra and Simcoe and fermented with a mixed culture of yeast and souring bacteria. Renganeschi says it smells like “frothy, fresh-squeezed O.J.” The third component of HVB’s lineup is a series of New England-style IPAs characterized by fruit-forward, citrusy hops and hardly any bitterness.

私が飲んだのはこれのGalaxyバージョンですが、生の小麦、オーツモルトと乳糖を使用したsour New England IPAと言えば良いでしょうか。肝心の味わいについてはピルクルやヤクルトのような乳酸菌の柔らかな酸味を持ち、ボディが必要十分あるのに全く重たくない。むしろ柔らかと表現したいほどのしなやかさ。Galaxy由来であろうグレープフルーツのような香味と相まって、グレープフルーツが多めに入った超高級生搾りミックスジュースのようでした。たくさんの要素が入っていながら何か一つが主張するのでもなく全てが渾然一体となってまとまっています。恐ろしいほどドリンカブルで、非常に危険。旨すぎてとにかく危険。

west coast IPAからNew England IPAとシーンは移り、New England DIPAから更にMilkshakeのような甘く重たいものへと進化する流れも見られます。また、度数を下げたJuicy or Hazy Pale Aleや究極的にドライにしたBrut IPAも現れました。もう一つの流れとして「酸味との調和」というsour IPAの視点が生まれたのではないかとCRAFT DRINKSは考えています。モルト由来の甘みをホップのビタネスで相殺してバランスを取るのが旧来のメソッドだとすると、ホップは香味だけでモルトの甘味を酸味でバランスさせる考え方で美味しいIPAが作れるのだと証明された。そう言い換えても良いかもしれません。

図らずも次のステージを見てしまった。まだまだワクワクするお酒がこの世の中にはあるわけだ。さて、IPAはこれからどこに行くのだろう。

 

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ちなみに、ハドソンバレーには一回の発酵でビールを仕上げるのではなく、複数のお酒をブレンドして作るラインナップがあるそうです。それぞれ違ったキャラクターのビールが入っている樽が130丁もあるそうで。うーん、こっちもいつか飲んでみたい。

A Pint with the Mad Scientists Behind Hudson Valley’s Hottest Sour Breweryという記事に作りに関する詳しい話が載っていますので、是非お目通しください。ブルワーのインタビュー、特にブレンドに関する部分はとても印象深い。少し引用しておきましょう。

NK: What’s your guiding motivation when blending? Do you normally have an idea of where you want a liquid to go?

JS: We want our finished beer to be a reflection of the multi-layered process used to create it: technical and creative, thoughtful and pleasurable.

MR: We have about 130 barrels right now, so we have a rich and diverse palette to choose from. We can get excruciatingly specific about what kind of character or quality we’re looking for in a beer, and since we have so many barrels to pull from we’ll likely have a few laying around to meet that specific need.

JS: It’s like a box of crayons. Each barrel or character is a different color.

保有するたくさんのブレンド原酒を「クレヨンの箱みたいな感じ。樽もキャラクターもそれぞれ違う色で。」と表現するのはなかなか面白い。

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