【ブルワリー向け】酒屋・問屋に卸す条件

May 11, 2018

ブルワリーではビールを醸造し販売しているわけですが、全商品を自社で直販するよりも卸売りをして問屋さんや酒屋さんに販売してもらう方がより多くの人に届く可能性が高い。ですから、業務の効率化の観点からCRAFT DRINKSとしては生販三層の仕組みを利用してビールを卸すべきだと考えています。

とはいえ、会ったこともない人、聞いたこともない会社に卸すのは正直なところ怖い。どういう扱いをされるか見当もつかないからです。自社のビールを卸すということは自分の娘を嫁に出すようなものですから、相手の素性や扱い方については事前に知っておきたいところです。

こういう話は万国共通で、アメリカのBrewers Associationではブルワリー向けにSELECTING A DISTRIBUTORという記事を公開してその選び方を紹介しています。「酒屋・問屋に卸す条件」と言い換えても良いでしょう。

当該のページではかなり多くの条件を列挙していています。全て解説するのは紙面が足りないので特に重要だと思われる部分を抜き出しておきたいと思います。

Distributor Commitment (クラフトビールへの関わり)
  • Is there a dedicated craft manager(s)?(クラフトビール担当のマネージャーが熱心かどうか)
  • Does the distributor actively educate/train sales staff in the craft segment?(スタッフがちゃんと教育されているか)
Sales Planning/Execution (販売計画)
  • Is there a market plan with specific and measurable goals?(数字でゴールを設定しているマーケティングプランがあるか?
Building Craft Awareness (クラフトが注目されるようなアクション)
  • Does the distributor promote craft brands in the local market? Do they get involved in events that promote craft beer and educate consumers?(その会社が地元の市場にクラフトブランドを広めているか。クラフトビールを広め、消費者を啓蒙するイベントに関わっているか)
Quality (品質)
  • Do they have refrigerated/temperature controlled storage? (冷蔵保管出来る倉庫を持っているか)

– Cases: 50°F(瓶・缶なら約10℃)

– Kegs: 40°F(ケグなら約4.5℃)

  • Do they deliver in refrigerated trucks?(冷蔵車で配送しているか)

なるほどなるほど。ブルワリーやそのブランドの代弁者として、エンドユーザーに一番近い存在として活躍してくれる会社なのかをちゃんと確認しましょう、ということだと思います。何か困ったことがあったり疑問があった時に対応できる人材がいて、ブランドの哲学を理解してそれを語り、品質を落とさず保管・配送する仕組みが出来上がっている会社とパートナーシップを結ぶべきなのです。

さて、キーケグの使用を念頭に置いた文章ですが、BREWDOGとDE MOLENが急成長を遂げた理由でこう書きました。

営業・販売行為は問屋・酒販店に任せれば良いし、お金のやりとりも大分簡素化されます。生販三層の仕組みに沿った方が展開のスピードや物量が上がりますから、状態良く流通出来るのであれば「卸売り」は絶対にするべきです。「生産」・「営業・販売」・「回収」という3点のうち後者2つを問屋・酒販店に担ってもらえれば、ブルワリー本来の仕事である生産に注力出来ます。

「状態良く流通出来るのであれば」というところがポイントですが、業界横断的に幅広く議論しなるべく早く何とかしなくてはならない部分です。ただでさえ人手不足にもかかわらず、醸造しながら営業して梱包して配送してお金の回収もしていたら体が持ちません。既存の問屋さん、酒屋さんにも是非変わって頂きたいところですし、ブルワリーは酒屋さんたちに「このままではいかん、我々が変わらねばならんぞ!」と思わせる魅力的なビールを醸して頂ければと思います。

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