すごくモヤッとした話

Nov 9, 2016

先日参加したビール祭りでのこと。

フード提供の無かったCRAFT DRINKSはセッティングが出来てしまうとやることがなくてオープン時間まで手持ち無沙汰に。カップやテイスティングホルダーの準備は前日に済ませてあったし、当日はサーバーの準備と各ビールのテイスティングをしてクオリティチェックを終えたら他に大してやることがないのです。仕方なしに、なんとなく会場をプラプラしていました。そんな時に聞こえてきた話です。

アルバイトもしくはボランティアのお手伝いの方にどなたかがビールの提供について説明をしているようでした。

「ぼく、劣化とか味とかよく分からないんですけど、まぁ、とりあえずこんな感じで注いでください。」

責任者らしき人がこう言うわけです。えー、それでいいの?本当に良いの?大丈夫?と正直なところビックリしました。その後、「あとからいい感じで泡乗せて・・・」とか聞こえてきましたし・・・。おいおい、いい感じって。あなたが自信持って提供価値や品質を判断しないと誰も仕切ってくれないんじゃないですか、と。

実際に召し上がって頂くお客様が目の前にいて、その方々とダイレクトにお話が出来たり、感想を伺うことが出来る場は本当に貴重だと思います。たとえば、「美味しいですね!」と直接言って頂くのは何にも代えがたい喜びです。しかし、まだまだ狭いクラフトビールの業界なので、酷い状態のものを提供すればすぐに悪い評判は広まります。そうならない為にも、自らが提供するビールについてはその品質についてもちゃんと理解していないといけないでしょう。お客様にとっては一期一会の一杯になるのかもしれませんから。美味しく醸して、美味しく提供する。やるべきことはこれだけのはずです。

ふと思うのです。試飲して「あれ?これ、劣化が酷いなぁ・・・」とか「ちょっとオフフレーバーがきつい・・・」というような症状が見られた場合、私であればその樽は絶対に使いません。スタイル上好ましくなく、自らも美味しいとは思えないものは提供できないからです。当たり前ですけれど。では、宜しくないビールだった時、そのブースではどうするのだろう・・・?

「劣化が分からない」それはつまり「商品価値があるのか無いのか、提供できるレベルのものなのかどうかを判断できない」ということではないでしょうか。提供側がそれでは流石にまずいでしょう。それでいて、「限定品です!おいしいですよ!」と大声で宣伝しながら呼び込みをするなんてちょっとおかしいなぁと思ってしまいます。すごくモヤッとしたのでした。

結局私はそのビールは飲みませんでした。何を表現し伝えたかったのか、たぶん分からないだろうから。

 

・・・こんなことを奥さんに話すと、「余所のことはいいのよ、自分がそうならないようにしていれば」と言いました。私はちょっと困ってしまったのです。シーン全体が良くなっていかないといつまで経っても「限定」だとかに終止して、今目の前にある一杯の持つクオリティの話にならないように思われるのです。余計なお世話なのかもしれないし、もっと相応しい人がいるのかもしれないけれど。結構大事なことだと思うのです、この部分は。

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