実技試験は無い

先日、ブームだからこその危機感という投稿をしました。WBCで賞を取るようなビールが日本から生まれる中で、飲み物として成立していないものもまだまだあります。それなりに必要ですよね、普通に考えてという続く投稿で少し書きましたが、今回少し論を進めてみたいと思います。

審査を通ったはずなのに、「え??それ、大丈夫??」と聞きたくなるようなビールが出回るのはなぜだろう?私は構造的な問題も少なからずあると思っています。

先日の投稿で上記のように書きました。免許はちゃんと取っていて、ちゃんとした酒造能力があるはずなのに・・・そこで免許のことを考えてみたいと思います。ちょっと勘違いされやすいのですが、酒造免許は個人ではなく、通常酒造場という場所・法人に付与されます。新規開業する際は「能力があると思われる人がちゃんと所属しますよ」と証明書を付けて申請するわけですが、ふぐの免許と違って、ビール醸造の免許に関しては申請時に「実技試験がない」。もしかしたらどーしょーもない程酷いものが出回ってしまう理由の一つがこれかもしれません。「ん?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、法律上そうなっているので今すぐこれは変わりません。

勉強熱心で日々品質向上に取り組む醸造家の方々を尊敬します。免許があることに安心せず、もっと上に行けるはずだと日々研究されているのでしょう。ブーム真っ只中で作れば売れる時代なのかもしれないけれど、それに流されない強い気持ちを持って醸造に臨む醸造家をその作品と共に心から応援したいと私は思っています。そして、そういう方の独立開業はなんとしても応援したいとも思います。