ビアスタイルのことを考えてみた

ビアスタイル。最近よく聞くようになった言葉の一つで、現在の流行に大きく貢献したものだとも思います。大事だけれど、実はものすごく厄介でもあります。これのせいで結構面倒なことが起きているなぁと感じているのです。

「いま飲むべきビアスタイル5種」とか、「人気のビアスタイルまとめてみました」とか。ちょっと調べるとこんなタイトルの記事が死ぬほど見つかります。こういうガイドがあると嬉しいのは分かります。でも、「そもそもビアスタイルって何?」という素朴な疑問に答えてくれるものが今のところ見つからない。「ビアスタイルとはビールのスタイルだ」という同語反復を前提とした上で話が進んでいる気がしてならないのです。たぶん、認識を共有している気がしているだけで、結構な割合で噛み合っていない。

ここで「正しいビアスタイル」を決めようなどとは一切思っていません。現状を整理し、どういう風に運用するのが良いかを考えてみるだけです。もちろん異論や反対意見をお持ちの方のいらっしゃるでしょう。それはそれで良いと思います。多くの方とそれについて議論することが今のシーンにとって大事なのだと思いますから。

「品評会用の厳密に規定された言葉」と「一般に使われている言葉」が同じで、その違いについて詳しい説明がないまま独り歩きしてしまいました。「品評会の言葉」についての指摘がほとんどなされていない点が非常に惜しまれる。作り手、流通、小売がそれぞれ積極的にコミットしないといけない大きな問題ではないかと思うのです。

この件については追って書いていきたいと思います。

関連してこんなことも書きました。“ビアスタイルのことを考えた 「まずは脊髄反射」”(2016/1/25追記)